逆らった143回目 ページ43
・
菅原side
がちゃり、と静かに待合室の扉が開いた。
現在時刻22:46
事故から大分時間が経っていた。
「…蓮は」
医「一命は取り留めましたが、それでも危うい状況です
…親御さんは?」
「…両親はいません、身内は妹の私だけです」
菅「!」
親が、いない…?
医「…君は?」
菅「あっ、俺は付き添い…です」
Aの発言に驚愕していたら医者に急に話を振られた。
俺が一言そう答えたらまた、Aに視線を戻した。
医「…そうか。君ひとりなのか」
「……なにか大事な話があるなら、聞きたいです」
医「大事な話はあるが、君一人に聞き切れるか?」
「、」
医者がそう聞くと、Aは俺の制服を引っ張った。
菅「……俺も聞きます」
医「…そうか。付いて来なさい」
*
Aside
「蓮、」
医者からの話が終わり、集中治療室に通させてもらった。
本当は もう帰りなさい、と言われたけど、まだ蓮をこの目で見てない。
無理を言って一瞬だけ面会させて貰えるようにお願いした。
スガさんは終わるまで待ってくれるらしいから、本当に一瞬見てから去ろうとしたけど、
「…死んじゃ、やだよ」
ここを離れたくない。
もしもう一度蓮が目を覚ましたなら、私が一番最初に蓮に会いたい。
『…ひどい怪我だね』
生きてるのかわからない蓮の手を握っていたら、背後から聞き覚えのある声がした。
「…し、ん?」
白髪の、でもいつもの胡散臭い雰囲気なんて一切ないシンの姿が見えた。
「…蓮、死んじゃうのかなぁ」
『……君は僕に命乞いをしないんだね』
「だって、、一度でも私たちを生かしてくれたのに、二度目なんて…」
『まぁ無いよ』
…うん、知ってる。
『…君はここにいることを望んでたっけ』
「…うん」
『言っておくけど綾瀬蓮は、それを望んでいなかったよ
何せ、向こうで死んだのは彼で、天涯孤独の運命を辿るのは君だから』
「…え、」
『それを知ってた彼はずっと悩んでたよ。
戻るべきか留まるべきか、ずっと
こんなこと誰にも相談できることじゃないし、自分の中でぐちゃぐちゃ考えていた彼は、相当精神的に辛かったはずだ。
彼は1人で抱え込む悪い癖があるよね
こんなにも大きなことを1人で背負って、本当に可哀想だよね』
519人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや - めっちゃ好きです。内容がすごく好きです!頑張ってください!(*´▽`*) (2018年4月8日 22時) (レス) id: 396d745df5 (このIDを非表示/違反報告)
結みょんみょん(プロフ) - …あ、はい!返信早くて尊敬します( ゚д゚)文字の大きさ使い分けてて面白いですね!テンポ良くて読みやすいし…オチ楽しみです^^ (2017年5月27日 9時) (レス) id: cdfb7d94c7 (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - 結みょんみょんさん» ご閲覧ありがとうございます! オチは誰になるんでしょうね…ツッキーかもしれないし、そうじゃないかもしれないし…お楽しみに!!笑 (2017年5月27日 9時) (レス) id: 9ab1ebf13e (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - arumaさん» ご閲覧、応援ありがとうございます! じわるところマニアックですね笑 (2017年5月27日 9時) (レス) id: 9ab1ebf13e (このIDを非表示/違反報告)
結みょんみょん(プロフ) - とりあえずツッキーオチにしてくれれば私はそれで満足です( ^ω^ ) (2017年5月27日 9時) (レス) id: cdfb7d94c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:霸留 | 作成日時:2017年4月20日 0時