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「表向き、殉職って形で世間に伝えられたんだけど実際そうじゃなくて、あれから今もずっと、ずっと行方不明のままなんだ。遺体もなにもなくて、残ってたのはお母さんとお父さんの結婚指輪のみ。生きてるのかどうかわからない人たちのものを残しておくのが気持ち悪くて、あの人たちのもの全部捨てちゃった。そんなこと常識で考えたらしちゃいけないのにね。でも、どうしても気持ち悪くて。今日までずっと両親の遺産と国からの支援で生活できてるわけだけどさ、もし仮にふたりが生きていたらっていつも考えちゃう。遺体を見てないからかもしれない。多分、実感がわいてないんだ」
轟のほうをふと見たら、目が合った。珍しく話聞いてやんの。ていうか聞き流してくれてんのかな。
私は、轟の目を見ながら話をつづけた。図書館には私たち以外誰もいない。
「もし、生きていていたとしたら、どうして私のところに帰ってきてくれないんだろうね。私はふたりのこと大好きだったし尊敬してた。ふたりみたいなヒーローになりたかったし、ああいう夫婦になりたかった。また三人で仲良く暮らしたかったのに、暮らしたいのに、なんていうのかなぁ、このなんとも言えない気持ち。…とにかく、ヒーローになる人…いつ死んでもおかしくない仕事をする人と結婚はしたくないんだ。できるだけ戦いたくない。戦わせたくない。安全なところに一緒にいたい。そう思ったら爆豪との結婚は考えれば考えるほど怖いの。だって大事な人は亡くしたくないもん。大事だからこそ、安全な仕事をしてほしい」
私がそこまで言ったら、轟は意外そうな顔をしていた。
「桐谷先輩、爆豪のこと」
「轟、これは独り言だよ」
「…そうだった。わりい」
「爆豪はまっすぐヒーローを目指してる。それならその道を進んでほしい。爆豪は弱くない。優秀だし、きっといいヒーローになれる。だけど、だからといって死なないわけじゃない。爆豪も人間だもん。どこかを強く殴られたり刺されたりしたら当然痛いし、首を切断されたら死ぬ。もちろん轟もね？」
「独り言なのに問いかけたりするのはいいのか」
「細かいことは気にしないの」
「ずりい」
「こういう人間なんです」
「…桐谷先輩が爆豪のこと好きなら、もうそれでいいと思う」
「でも悲しくなるのは嫌だよ」
「もう好きになってるなら、結婚するしない関係なく死んだら悲しむんじゃないのか」
「…そうねえ」
それは轟のいうとおりかもしれない。
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無気力に自信が有る人 - 「…あんたはぶすにキスすんの」で笑っちゃいました(笑)爆豪くんの不器用な恋が面白く書かれていて、とても好きな作品だと思いました！ (2021年11月25日 0時) (
レス) @page8 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - 本当に本当に素晴らしい作品で一気読みさせて頂きました、、、！！もう、なんとゆうか本当に大好きです、、いつでも更新お待ちしております、、 (2020年5月10日 3時) (レス) id: ff2fd20a4d (このIDを非表示/違反報告)
李那(プロフ) - 占ツクは何年も前から利用していますが、完全見る専でコメントも過去に1度したことあるかないかくらいなのですが、、あまりにもドストライクすぎて愛を伝えに来ました。過去に見てきたどのジャンルのどの作品よりもトキメキを貰えました。愛してます。 (2020年2月4日 12時) (レス) id: 70ca7fff8e (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - このお話が進みながら、なんとなく自分の望む展開とか想像しながら読んでて、うわああ続きないのかああ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ってなりました。面白いです。本当に二人が結婚までするのか、最後はふわっと終わるのか、とっても気になります……更新待ってます！気長に！ (2019年9月19日 13時) (レス) id: 9cd1e2c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - いつかまた更新するだろうと心待ちにしていました！！新しい環境で大変だと思いますがゆっくり自分のペースで頑張ってください！細々と応援させていただきます！！ (2019年6月3日 2時) (レス) id: 955582a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霸留
| 作成日時：2018年3月18日 22時
