【金カム】愛に彷徨う[男主] (ページ13)

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茨戸編-壱- ページ13

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Aと尾形は山を越え歩いて茨戸へと向かっていた。

「そういえばどうして茨戸へ向かうんだ？」

「この間街へ寄った時あっただろう？そこで噂を聞いたんだ。」

尾形は思い出すかのように話し始め、それをAは相槌を交えながら聞いていた。

「それと、ちょっと思い当たる事があってな。」

「思い当たる事？なんだそれ？」

Aは「俺には思い当たる事なんてないぞ！」と言いながらも思考を巡らす。

その様子を見ていた尾形は少し微笑みながら「お前は気にしなくていい」と言ってAの頭を撫でて先へ進んでいった。

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茨戸へと着いたA一行は、偶には身だしなみを整えようと理髪店へとやってきた。

「俺は髪伸びてきたから少し切ってもらおうかな。尾形は？」

「…髭」

顎を触りながらその感触を確かめている尾形を横目に店の中へと入る。

「すみません。2人いいですかね？」

「えぇ、どうぞ奥の方へ」

案内されて奥の椅子へと座り、それぞれの要望を店の人に伝えて施術してもらう。

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「うーん、さっぱりした！」

「なんだ坊主じゃないのか」

髭を整えられながら尾形がAに言う。その姿はなんとも言い難いが面白いものがある。

「ははっ、いいだろう？軍を抜けたんだし、開放感的な？そう言う尾形だって、洒落てる髪型じゃないか」

Aは尾形の髭を整えられているのを見ながらふと気づく。

「あ！弾買ってこないと無いんだった。」

「ん？あ、おい何処行く」

「近くに銃砲店がないか探してくる！」

するとAは走って店を出て行ってしまった。

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Aは店を出た時、2人の老人とすれ違う。

ただの老人とは違う雰囲気を纏った2人だったのだ。
その老人達が先程Aが出てきた店に入るのを見て、尾形は大丈夫かなと心配するも目的の為に素早くその場を去るのだった。

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