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「ほかには？」
「・・・引かない？」
「うん、言ってみ」
「太陽みたいだなって思ってるよ、明るくてみんなの中心で、それでいて・・・」
見たことを無理やり記憶させてくるようなところが。
言いかけて、私は慌てて口をつぐんだ。いけない、こういうことは言っちゃダメだ。
「今よくないこと言おうとしたのバレてる。俺が太陽って思った理由他にもあるんだろうけど、聞かないでおくよ。」
「・・・ごめん」
間に合わなかったらしい。彼はハハハ！と笑っている。悪口言われそうになったのにそんな風に笑っていられるのはどうしてなんだろう。
「俺さ、Aのこと好き。」
あまりにも突然だった。今まで触れないように必死に努力して、そこから外れるように会話をしていたのにルーカスはその一言で全部を吹き飛ばしてしまった。私のささやかな抵抗はどうやら無駄だったらしい。
だってあんなに分かりやすいアプローチをされて気が付かないわけではなかった。高校生という、ある種異性について最も敏感である時期にわざと忘れ物したり、嘘ついて課題見せてと頼まれたり、焼きもちやいてデートに誘われたりしたら誰だって意識する。
「でも、Aって俺のことそんなに好きじゃなさそう。」
「そんなことない！・・・あ、」
「そうなの？」
嬉しそうににやりと笑った彼の顔を見て、あ、もうこれは私の完全降伏だと諦めた。
認めよう、私の負けである。
「ルーカスがあまりにも人気者だから、近づきづらくて。いつも周りに人がいるし・・・」
「だからいつも席が隣なのに休み時間話してくれなかったのか〜。」
うんうんと納得するように頷くと彼は言った。
「じゃあこれから彼女だって言えば俺と一緒に居てくれるってこと？」
「・・・うん」
「A、付き合ってくれる？」
「・・・お願いします」
「よかった、正直振られると思ってた。笑」
「・・・振らないよ、そんな簡単には」
だってあなたは私の太陽。
拒否するなんて許されない、直接的な光。
その眩しさに、私はいつまで耐えられるだろうか。
瞳を閉じても浮かびあがる、暗闇の中の色、網膜の上の傷。
「A、ずっと好きだった。」
その笑顔に、私はいつかきっと、失明する。
『残像効果』 ルーカス Fin.
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マリン(プロフ) - ころころまんさん» ジェミンを応援したくなるというコメント本当に嬉しいです。最後まで主人公の味方になろうとする彼を書きたかったので……！コメントありがとうございました！ (2021年3月21日 12時) (
レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
ころころまん(プロフ) - ジェミンの話が一番面白かったです。ドキドキするしジェミンを応援したくなるし、ジェミンっていいやつなんだなぁと私は感じました。また更新お待ちしています。こだわりのある感じがまた最高です。 (2021年3月21日 4時) (レス) id: ddd6b54eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリン | 作成日時：2021年2月15日 1時
