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私の予想では今日の日付的にルーカスはきっと当たる。
仕方なく、やってきた宿題を「写し終わったら返して」と書いた付箋と共に彼に差し出す。渡す理由などもちろん少女にも備わった下心に他ならないが、私のそんな思いとは裏腹に彼は途端に目を輝かせて秒速で写し始めた。そうやって嬉しそうにされると自分の浅ましさが明確になるようで、少し心の奥がもやりとした。
その数分後にとんとんと指先で叩かれた私の机の上に先ほど渡したノートが置かれ、中身を開けば付箋に「マジで助かったありがとう、今日なんか奢る！」と返事が書かれていた。
・・・彼は私の下心に気が付くことなく、私の想像は現実となった。はなからこれが狙いだったと言ったら、彼は私に幻滅するに違いない。
計算高い女の子は周囲にバレてはならないのだ。
しかし、どうしたものか。
今日私はマークと共にこの教室で放課後、一緒に委員会のあれこれをするつもりだ。ルーカスには悪いけど、別日に改めてもらうしかない。
私は新しい付箋を取り出して「ごめん、今日は放課後用事があるから他の日でもいい？」と書いて先生にばれないように急いで彼の机に張り付ける。
「知ってる。だからわざわざ今日にした。」
その答えは紙上を介したものではなく、彼の口から直接伝えられたものだった。
言葉を咀嚼して、呑み込む前に彼は先生に当てられてしまい、おずおずと立って私の回答をそのまま読み上げる・・・と思えば、目の前の私の回答とは違う答えを述べた。私が目を丸くしている間に彼はまた着席し、私に向かって口を動かす。
「実は宿題やってきてあったし。」
そんなパワーワードを真っ向から受けた私の脳内は考えが散らかって、思考というものがどこかへ転がっていってしまった。しかも彼の答えが合っているんだから、私の回答が間違っていることになるじゃないか。恥ずかしいにも程がある。
そんな私はルーカスに返す言葉も見つからず、鐘が鳴るまで沈黙を貫き通すことしかできなかった。あの言葉は私が思ったように受け取っていいのか、それとも私のただの恥ずかしい思い上がりなのだろうか。
鐘が鳴るとさっきとは打って変わって、また隣の彼は人だかりで見えなくなっていった。
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マリン(プロフ) - ころころまんさん» ジェミンを応援したくなるというコメント本当に嬉しいです。最後まで主人公の味方になろうとする彼を書きたかったので……！コメントありがとうございました！ (2021年3月21日 12時) (
レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
ころころまん(プロフ) - ジェミンの話が一番面白かったです。ドキドキするしジェミンを応援したくなるし、ジェミンっていいやつなんだなぁと私は感じました。また更新お待ちしています。こだわりのある感じがまた最高です。 (2021年3月21日 4時) (レス) id: ddd6b54eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリン | 作成日時：2021年2月15日 1時
