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「……ハンジさんが、奇行種だと言われる意味が少しだけわかったような、」
「どっからどう見ても奇行種だろ。現にゲロまみれで寝るような人間、こいつ以外見た事がねぇ。」
「幸せそうに眠ってますね……。」
「ああ、全く持って酷ぇ面だ。」
「え？」
「大量のクソみてぇな書類仕事を放棄できたんだ。そしてクソ眼鏡の放棄した書類記入をさせられるのが俺だ。チッ、胸糞悪ぃ話だ。」
「…」
「こいつのせいで仕事が倍になった。」
「……本当にご愁傷様です。」
「こいつが目覚めたら先ずこいつを削いでやる。」
「……お疲れ様です、ハンジさん。」
あたしもできる事なら手伝いたい。だけどエルヴィン団長がハンジさんとリヴァイ兵士長に頼んだということは上官しかできない仕事なのだろう。それか、上官にしか許されない書類なのだろう。
だからリヴァイ兵士長に向かって頭を小さく下げればリヴァイ兵士長はぐしゃり、とあたしの頭を撫でる。不器用な手つきにふふ、とまたもや頬を緩ませた。
「お前もさっさと休め。明日からまた通常通りの仕事だ。」
「はいっ。リヴァイ兵士長も、お疲れ様でした。それと今日は…ありがとうございました。」
「……ああ。」
リヴァイはジゼルの頭から手を離し、ハンジを置いて背中を向けて歩き出した。本当にハンジさんを置いていってもいいのだろうかと不安になりハンジさんを起こそうと地面に膝を付け、肩を揺する。
「ハンジさん、起きてください。こんな所で寝たら風邪引きますよ！」
「んんんんんん〜、奇行種ちゃんは…どこぉ？」
……これは本当に駄目だ、とふう、と息を吐いて幸せそうに眠っているハンジさんを置いて兵舎に向かった。なんだか申し訳ない気もするがハンジさんはリヴァイ兵士長の言ったようにゲロまみれの状態。運ぶことも出来ないし起きてくれないなら、仕方がない。
ごめんなさい、ハンジさん。そしてお疲れ様でした。とハンジさんに念を送り、自室に向かったのだった。
次の日、ハンジさんが風邪を拗らせたのは言うまでもない。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
