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だからといって地下街の事はなるべく話したくない、何人もの人を殺した。時には仲間も。決して穏やかな話じゃない。ファーランやイザベルの事を話したからといって根掘り葉掘り聞かれるのは好まない。
だからといって隠し通すつもりは微塵もない、何れジゼルには話すつもりでいる。こいつとは真正面から向き合いたいから。だが、それは今ではない。
「新型について、お前からある程度の説明は聞いた。不具合といっても大した不具合じゃねぇから大概は自分で治してる。」
「ええっ？！……す、凄いですね。でもリヴァイ兵士長は立体機動装置以外にする事が沢山ある筈です。次からはあたしにやらせてください。｣
「ああ、分かった。」
「リヴァイ兵士長の立体機動装置を点検するの楽しいんです。リヴァイ兵士長は立体機動装置を大切に扱ってくれるから、それが嬉しくて。」
「立体機動を雑に扱うのは精々、糞眼鏡くらいだろ。」
「はは……、本当、そうなんです。」
それからジゼルと他愛もない話をした。ハンジの立体機動装置は驚くくらいの不具合を起こす事や、仕事の様子。矢張りこいつは立体機動装置が好きなのかこいつの口から出てくる言葉は立体機動装置ばかり。
だが悪い気はしなかった。こいつの大切にしている立体機動装置だからこそ俺も今まで以上に大切に扱おうと思える。
「ジゼル、まだ仕事は長引きそうか。」
「うーん…、多分まだ少し長引くかと。でも今日中に新型立体機動装置の目標達成しそうです！」
「ほう…、それはエルヴィンの奴が喜ぶだろうな。」
「ふふ、みんなのおかげです。」
ジゼルのキメの細かい頬を手で堪能していると、
「おーーい、ジゼ…………ル……！！」
ジゼルを呼びに来たのか倉庫が勢いよく開く。一人の男兵士がジゼルとリヴァイの顔を見て口をあんぐり開けた、そして顔を真っ青にさせ唇を震わせた。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
