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それにしても、意味がわからない。ジゼルが狙われる理由。否、この前の壁外調査での件は明らかにジゼルを殺そうとした行為だった。
影で目論んでいるであろう黒幕に苛立ちが募る。目の前にいれば問答無用でぶっ殺していただろう。
ジゼルとの気持ちが通じあった今、何があろうとあいつを守り抜かなければならない、必ず、だ。
「リーヴァーイー！いる？！いたな！」
「……チッ。」
そんな中、どんっと大きな音を立てて開け放たれた扉。そこから覗くのは満面の笑みのハンジ。また糞眼鏡か、と悪態をつきながらハンジを睨んだリヴァイの眉間には皺が深く刻まれていた。
「おおおっ、今日は一段と顔が怖いね！」
「黙れ。何の用だ。」
「いやぁ、それがさぁ……、リヴァイに誕生日プレゼント渡すの忘れてたなぁって！」
「あ？」
頭を掻きながらにひひ、と笑ったハンジはスキップしながらこちらへ向かう。顔を顰めたリヴァイがその様子を黙って見詰めていれば、
「はいこれーーー！随分と遅くなったけど私からの誕生日プレゼントさっ！！！じゃあね！！あ、因みに期限は明日までだからーーーっ！！！！！」
「……。」
机にボンッと置かれた紙。ハンジは物凄いスピードと物凄い笑みでリヴァイの部屋から走り去っていく。呆気なくハンジの置いていった紙を捲れば、次の瞬間、リヴァイのこめかみに青筋が音を立てて浮かび上がった。
……っあの糞眼鏡！！
「ふざけやがって…！」
ハンジが置いていった大量の書類をもち腰を上げたリヴァイは勢いよく部屋から出ると凍てつくような雰囲気を纏いながらハンジの部屋へと向かう。
削いでやる、と書類をクシャりと握り潰した。
有り得ない。これがプレゼントだと笑顔でいい述べてしまうあいつの思考回路は矢張りおかしい。
「あ！兵長！お疲れ様です……ってそんなに慌ててどうしたんですか？」
その声に振り返れば目を丸くさせ訓練後なのか汗を拭きながらこちらへと向かってくるエレンの姿があった。俺は近くにあった壁に背中を預けた。
「……エレンか。糞眼鏡を探してる。」
あいつは部屋にもいなかった。このまま俺が書類を受け取ってしまえばエルヴィンの野郎から説教を食らうのは俺だ。それだけは何としてでも避けたい。あいつの説教は長い。時間の無駄としか思えない。何よりエルヴィンに説教されている自分は心底笑えない。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
