極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ43)

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「ど…、うしよう…、他に…、可能性…。」

自分の今まで体験してきた記憶に思考をめぐらせる。

さっきエピックさんに「冷静になれ」と言われたばかりなのに、焦ってばかりで頭が回らない。

迷子になっただけ…？いや、セリーナさんはこの世界で迷子になるようなタイプでは無いし。

誰かに私がいなくなったと頼み込んでいるのか？

それにしては、時間が長すぎる。

頼れる人が出来たらまずは、現場にいたサンズさんに報告しに来るものだろう。

こんな状況でこの世界からセリーナさんが抜け出したとも考えられない。

攫われたことの可能性が考えれば考えるほど大きくなる。

その時だ。

頭上に肩にあったはずの、手袋に包まれた手が乗り「Bruh」とエピックさんの声が聞こえた。

「落ち着け。もし、本当に攫われていたとしても助けられる可能性もあるだろ？ここで焦ったらその可能性がぐーんと落ちる。ほら、深呼吸だ。」

まるで妹や弟を宥めるかのように私の頭の上で手を跳ねさせるエピックさん。

「…すみません。取り乱しました。」

そうエピックさんに、誤っているとサンズさんは何かが疑問に思ったのか「なぁ」と声を上げる。

「何ですか…？」

「Aってオイラに触られたら怖がるけど…エピックは大丈夫なのか？…あ、もしかしてアンタら付き合ってたり」

「してないです。」

高速でそう返せばサンズさんは、すまん。と反省の色の見えない軽い謝罪をした。

「…っ…、heh、悲しいじゃねぇかそんなすぐに否定されちゃぁ…。Bruh。ほっぺ染めたりとかしないのか？」

そうエピックさんに私の頬をツンツンと、つつきながら言われる。

「そういうところですよ」と言い返してやりたい。

「はあ。変なジョークをサンズさんありがとうございます。すこし元気出ました。セリーナさん探しましょう。」

指をパチリとならして、エピックさんが呼び止めたことで少し閉まりかけていたポータルを人1人通れるほどのサイズに戻す。

「…サンズさんとエピックさんお先に…。どうぞ。」

「んじゃ、オイラから」

サンズさん、エピックさん私の順にポータルへ入っていった。

ケチャップとチョコチップクッキーの香りに多少のケツイが湧いた。