極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ28)

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「アイツが身代わりに？チョコチップクッキーでもアイツに貢いだか？」

不思議そうにそういうクロスさん。チョコチップクッキーなんて持ってるわけないんだな。

「あー…、いえ、エピックさんを嵌めました」

「ハハッ！アンタもやるもんだな…！おお、そうだった。玄関で話すのもなんだ。中入れよ。」

扉を開けて中へクロスさんは案内してくれる。クロスさんについて行く私にセリーナさんはついて行く。

まるでアヒルの親子のようだ。

「…！クロス、何故Aとセリーナがいる？」

私達の姿を認識した瞬間、ソファに座っていたはずのメ…、ナイトメアさんはクロスさんの首元に触手を向け、目を細めて低い声でそうクロスさんに問いかける。

「ナイトメア！クロスは何も…！」

「黙れ。俺はお前なんざに聞いていない。クロスに聞いているんだ。」

何やらご機嫌ななめな様で、クロスに触手を向けるナイトメアさんを止めようとしたセリーナさんにも触手を向けた。

「えーっと…、A…さんが訪ねてこられたので、立ち話も何だと…アジトに入れました。」

オドオドとナイトメアさんに敬語で説明をするクロスさん。これは…、パワハラとして訴えるべきだろうか。

訴えたとしてそれに対応できる警察なんているわけないけど。

「…A…、」

「…何…。」

「…はぁ、ここに来る時は連絡を入れろとあれほど言っただろう？それに心の中だとしてもナイトメアさんなんて呼ぶな。虫唾が走る。メアでいい。」

「…、わかったよメア。善処する。」

キラキラと輝くミントグリーン…、いや、シアンと黄色のメアの目を見つめながらそう言う。

そのやり取りをセリーナさんは驚いた表情で見ていた。

「Aちゃんが…、敬語使ってない…！」

そう言ったセリーナさんに対しメアと私の「は？」と言う声が重なる。

「あ、いや…、あのね、Aちゃんが敬語使わずに話してるのわたしだけだと思ってて……。」

「…ほう。お前の友達は束縛心がものすごい様で。」

ニヤリと口角をあげるメア。何やらセリーナさんをよく思っていないようだ。

「…あ、あの……。オレ部屋戻っていいですか？」

クロスさんが声を上げ、ピリピリとした冷たいそんな雰囲気を壊す。

彼には感謝しておこう。

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今更ですが、ここのクロスくんは闇えゆメンバーにだけ敬語です。