*5話* 繁忙シーズン! ページ5
忙しい。多忙ってきっとこのことを言うんだと思う。
次々に運ばれてくる皿をとにかく泡だらけになりながら洗いまくる。一体どれだけ人気の飲食店なのか、まだ店内を見ていないためにわからない。
団体様なのかな、ってくらい同じものを大量に頼んでいく。
「Aさんフロアお願いします!」
「はいはい。洗い物1人でできたりする?ごめんね、フロア行ってくるから」
「はい!」
リアルの世界ではファミレスでバイトをしていたからかなりフロア仕事は慣れている。
足手まといにはならないはずだ。
注文伝票を持ってフロアへ出ると、そこに広がるアダルトな空間に一瞬息を呑んだ。
なんだこれ、本当に高校生の開いた店?
さっきのインテリイケメンが自慢げに「このランプどう思いますか?僕が選んできたんですが」と言っていた。そんなことできるのは経営者のトップかそれを任された人。
そして時間が経ったにもかかわらず、誰一人先生らしき大人が顔を見せない。
絶対あのインテリイケメンが支配人とかそんな感じだって。
「これ3番テーブルお願いします」と言われてお盆に乗せて運ぶ。重たくはないけどオシャレな食器だし、割ったら絶対弁償代払えないから慎重に運ぶ。
「Aさんそれこっちでーす!」
「お待たせしましたお客様」
「よぉ、今日は真面目に働いてんじゃねぇか」
……ケモミミ!
顔を上げると、それはそれはお顔のよろしいケモミミイケメンがまるで王のように鎮座していた。
私の夢パラダイスじゃん…。
普段私真面目に働いてなかった設定なの?
「ここ座れよ」と言って自分の隣を指すケモミミイケメン。座りたいのは山々なんですけどね、今仕事中でして。
「残念ですが仕事ちゅ…」
「良いじゃねぇか、減るもんじゃねえし」
「困りますレオナさん!Aさんを取られてしまってはフロアが完全に回らなくなる」
助けてくれたのインテリ…!
名前がまだわからない。
でもフロイドと仲良い感じだし、ジェイドはもう登場したから“アズール”かな?
「ッチ、後でサバナクローに来いよ」
「は、はぁ…」
盛大な舌打ちをかましたケモミミは掴んでいた私の腕を離し、後輩であろう人に何かを言いつけている。
「仕方ないっスねぇ〜」と言ってその後輩くんが私を見ていたことなんて気づかない、知らないからね私。
でもあの後輩くんもイケメンだな…。
「これ5番テーブルお願いします!」
「Aさん、これ8番です」
「はいはい」
でも、私はとても幸せな脳みそをしているので、多忙なことも相まってすぐに約束を忘れてしまった。
269人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - マチさん» ありがとうございます!!私も明晰夢見たことないんですが、妹が見たことあるらしくて…自分の思い通りの夢ってめっちゃ羨ましい…!コメントありがとうございました!! (2020年7月24日 13時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
マチ - 面白いぃぃぃぃぃ!!えっ明晰夢見てみたい((( (2020年7月24日 2時) (レス) id: 9256472735 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ