31話 ページ31
「……は…？」
驚いてジッと運転中の宮の綺麗な横顔を見つめる。
何言ってんの？自分、頭打ったんちゃう？
一瞬頭を過ぎる“両想い”と言う言葉。でもそれを塗り替えるさっきの女の子。
そうや、宮にはあの子がおるし。
「は、あんたおもろいこと言うわ」
「なんやねん。笑うなや。マジやぞ」
「ふふ、わかったわかった。ありがとーな」
宮の“すき”はアタシの“好き”とちゃうやん。
だって宮がアタシのこと好きになるわけないやん。ちょっと考えたらわかることやで。
だってさ、アタシ、見た目も飾らんし、化粧っ気も無いし、女の子らしい喋り方も行動もできへんし。
それに…───────。
【なぁサム、お前のタイプてどんな女や？】
【なんやねん、うっさいな。俺のタイプ……白い服の
【理想たっか！サムには無理やろー】
【うっさいねん】
昔部室で話しとったよな。あぁ言う話は人がおらんとこでせなあかんで。しかも、あんたらの声よぉ響くんやからさ。ファンに聞かれたらめんどいことなっとったで。
部室の前たまたま通っただけのアタシにも丸聞こえやったからな。
アタシとは遠くかけ離れた“宮のタイプ”。
アタシは白い服も似合わんし、どちらかと言えば暗い系の色が似合う。
優しくも無いし、清楚でも無いし。可愛らしい、愛らしい、とはお世辞にも言われへん。
…なんで、好きになってもーたんやろ。こんな望みのない恋、最初から失恋しとるようなもんや。
スナには悪いけど、アタシもう無理やな。
アホみたいや、こんな相談乗ってもろて、1人で舞い上がって。
「恥ずかしいわ」
「なんや、Aはいつも恥ずかしいで」
「は？あんた喧嘩売ってんのか？買うで」
宮のおふざけにそれなりに返しながら家に帰る。
すぐ用意するからな、とテレビ画面を見つめる宮に背を向けた瞬間、ジワッと目尻が熱くなった。
始まってすらいーひん、アタシの恋。
誰か頼むから、無かったことにしてくれへん？
野菜を洗いながら俯いて、グッと奥歯を噛み締める。
あかんで、泣いたら。アタシはいつでも、男勝りな女友達をやっとかなあかんねん。
ポタ、と胸元が濡れるのを、蛇口から飛んできた水滴のせいにした。
……ほんまに辛い、失恋て、こんな辛いねんな。
締め付けられるみたいに胸がキツいし、どんなに頑張って止めようとしても涙は止まらんし。
袖で涙を拭うと、後ろから声が飛んでくる。
「何にするんー？」
「今日は豪華やで。チーズインハンバーグやからな」
なぁ今アタシ、普通に話せてる？
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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