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保健室に着くと、先生は私の顔を覗き込んであぁー…と溜息を吐いた。
赤紫「新種のウイルスに感染してる」
大門「だってさ。残念だったね蒼葉」
柏木「わかってるし、このまま間違いでも起こってAが妊娠して籍入れることになったら良いなとか思ってただけだし」
赤紫「おい仮にも保健教員の前でなんて事言いやがる。避妊しやがれ」
やる事自体は止めねえんだな、と言う美原は私の腰を撫でている。
私と美原の感染しているウイルスの名前は『ラブウイルス』と言うらしく、風邪のウイルスが変化したものらしい。まだ治療法は見つかっていないが、こんなふざけた菌に感染してしまったなんて一生の不覚。
ちなみ名前がダサいのはＷＨ〇の偉い方が決めたものなので、どれだけダサくても我慢だ。
「柏木のこと好きなのは本当だよ？」
柏木「はいはい」
「…好きなのに」
美原「俺は！？俺お前になら殺されて良いくらい好きなんだけど！」
「興味ない」
そう言って話す私たちに、赤紫先生は溜息を吐いて感染を防ぐために私たちを隔離した。
今から乱交なんてどうだ？と言う美原の提案に素直に首を振らなかったのは、柏木とできるなら、とか考えたから。
普段の私ならあり得ないことだ。
美原「なぁ、俺と結婚して？俺おまえと結婚できないと死ぬから」
「うーん…じゃあ柏木もついてくるよ」
美原「何でだよ！！」
柏木「結婚は一人の相手と気持ちを確かめ合って永遠の相思相愛を誓う儀式だから。ねー」
「ねー」
柏木と顔を見合わせてニコニコと笑い合うと、美原は血涙を流していた。
そして授業の終わりを告げるチャイムが鳴って、保健室に赤紫先生が入ってきた。
何やら透明な液体の入った三角フラスコを持っている。
後ろには青山くんと白田先生、深緑さんと紅本先生がいる。
白田「うわ、ほんとに感染してる」
青山「柏木が羨ましいぜー、合法的に女子高生に抱きつかれるんだから」
柏木「いや、俺も男子高校生だし。今の発言アウトでしょ」
赤紫「これ、理科系の先生が午前を使って作った対ラブウイルス用の薬だ。効果は確かだ」
実験台になった子かわいそすぎでしょ。
それに私、柏木と離れたくないし。
いやいや、と首を振っていると、柏木がA、と私を前に出す。
え、柏木は私と離れたいの…？
赤紫「今だ！」
「むぐっ！？」
無理やり口に入れられた液体をゴクンと飲み干す。
すると、今まで働かなかった頭が覚醒した。
「今まで柏木のこと好きだったとか一生の不覚ッッッッ」
青山「あ、戻った」
柏木「なんか複雑」
このあと美原も戻っていた。
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