いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ44)

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１３５話ページ44

浅川くんはかなりイケメンの部類に入るらしい。
女の子達が浅川くんの顔を見てキャーキャー騒いでいる上、彼氏と手を組んでいた女の子なんて彼氏を突き飛ばしていた。

うちの学校の馬鹿達もそうだけど、彼女になった人は大変そうだ。

浅川「Aちゃんってさ、魚好き？熱帯魚とか」
「魚？好きだよ」
浅川「水族館のチケットがここに二枚あります」
「好き」

絶対行こう！！と手を引けば、何か子猫を見るような目で見られる。
なんだ、愛おしいって感じの目だぞ。

あいつらは私のことエ□いって目で見てくるのに…大違いじゃないか。

って言うかさっきから頭にアイツらよぎりまくりなんだけど。不快。

一旦忘れて浅川くんの容姿を讃えよう。
それがいい、うん。

……にしてもヤベェな。女装したら美人になりそう。
まつ毛長いし、髪さらっさらだし、横顔凄え綺麗なんだけど待って。

こんなのに微笑みかけられたら大概の女子落ちるんじゃね。

浅川「ん？何？」
「何じゃないよぉ～…美人すぎるでしょ…」
浅川「Aちゃんの方が美人だろ」
「あかん…」

ニコ、とこっちを見て笑う浅川くんに、私だけでなく私の後ろにいた女子も5人ほどやられた。
太陽より輝いてる…。

って言うか小川先輩混じっちゃったんだけど。

来たぞ、と水族館がある出島まで連れて行ってくれる船が到着することを教えてくれる浅川くん。

なんでもないことでもキラキラして思えるのって、まさか、恋…いや、周りがクズすぎるせいだわ。

『この船は、まもなく水族館に到着します。水族館での観覧ルールは…』
浅川「段差気をつけてな」
「え、あ、ありがとう…」

いや本当にイケメンだな。
彼女いたってのも頷けるわ。うん。なんでフラれたの？

浅川くんをフるなんて良いご身分じゃないか。

浅川「……あ、あのさ」
「うん？」
浅川「お、俺、エスコートとかわかんないからさ…やってみたんだけど……へ、変じゃなかった…？」

きゅーん…

ダメだよ浅川くん。何今の。
油断してたら敵軍から軍壊滅させられた軍曹の気分だよ。

顔を真っ赤にして俯く浅川くんの手を取る。

驚いて顔を上げた彼に微笑んだ。

「大丈夫！誰よりもかっこよかったよ」
浅川「…Aちゃんは、そういうところがダメなんじゃないか？」
「えっ？」

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知ってましたか？恐ろしい話をしますね。
この小説の季節、まだ梅雨時なんですよね。(白目)