いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ34)

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１２５話ページ34

「つつ、次行こ！」
高野「そうだな…………【元恋人に再開した時】…！？」

元恋人どころか恋人すらできたことないんですけどっ……！

高野もそれは一緒らしく、ずっと固まっている。
どうしよう……体験談がない…。

「お先にどうぞ」
高野「いえいえ、お譲りします」
「ご謙遜なさらずに」

……進まない。

私が折れるかー…。

「…『初めまして、Aです』…」
高野「初めましてってお前…言われた側ショックだぞ…じゃあ俺は『また、やり直せない…？』にしとくわ」
「クズじゃん」
高野「えっ？フったの俺なの」
「え？違うの？」

……おっと～、受け取り方の違いが出てきたぞ。

って言うかこのゲームやめない？普通に恥ずかしいよ今。
お互い顔真っ赤じゃんか、ねえ。辞めよ。

「……デザート食べる？」
高野「…食べる」

よし、終わっとこ。

私は冷蔵庫から作っておいたプリンを取り出した。

「テレビなんか良いのやってるかな～」
高野「今この時間帯ならなんだろうなー…深イイ話とか？」
「せめて表記で隠すとかさ～」

俺にそんな技術ないんだよねー、と言う高野。お前ヤバイよ、レベル1だよそれ。
小説に出て来るオリキャラレベル1でも流石に伏せ字はできるからな。

ちなみにすでにみんなレベル50くらいにいる筈だ。

「まぁいいか、それ見る？」
高野「プリンうめえ」
「聞く気ねえな、わかった」

とりあえず深イ〇話をつける。

そしてプリンを口に運べば、口の中いっぱいに甘さとほろ苦さが広がった。やべぇ私天才じゃない？

改めて料理の腕を実感している。
男は胃袋で掴むもんだからね、と母親に教えられてきたのだ。

私の母親をなめるんじゃない。やべえぞ、性格とか。いろいろ。

「ポテチはっけーん」
高野「太るぞ」
「……」

大丈夫か、とお腹と相談した結果、大丈夫だ、と言う意見に収まった。

……ちょっと肉乗ってただけ、大丈夫。きっと。

「あぁあぁああ！！！また太るうう！！！」
高野「それ食べた後に言う言葉か…？」

うるせえわ！！！女子ってそう言う生き物ですから！

これだから男子校は…と偏見しかない思考回路で高野を見ていると、ん？とこちらを見る。

「……仮にもイケメンはやっぱり違うなぁ…」
高野「仮にもって…」

結構傷つくんですけど、と私を揺さぶる高野。

よ、酔いそ……。

あ、そう言えば……。

高野「？何してんだ？」
「浅川くんにLINE」
高野「アサカワ…？」