いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ29)

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１２０話※ ページ29

今日は振替休日。
柄にもなくショッピングにでも出かけようかと思っている。

そしてオシャレをして、まだ寝ている初を起こさないように家を出た。

「あ」
青柳「……どっか行くの」

すると、結構なイケメンコーデで隣から出て来た青柳くん。
まさか会うとは思っていなかったが、突然の無気力イケメンオーラにやられそうだ。

お出かけに…と言えば、じゃあ荷物持ちになろうか、と提案される。

青柳くんが…荷物持ち？

嘘だろおい。

青柳「ちょっと、あんたのことも知りたいしね」
「え？どうして？」
青柳「岩本が、凄え自慢する幼馴染、兼従兄弟。しかも会ってみればかなりできる女。隣の女子高のミス葉嬢を差し置いての極才のマドンナ…そんなの気になるに決まってるじゃん？」
「待って、私も知らない新事実が結構出て来てる気がするんだけど」

何マドンナって。なにミス葉嬢って。

隣の女子高葉嬢って言うんだ。

行かないの？と先を進んでいる青柳くんの後を追いかける。
私ちょっと整理しないからね？

青柳「で、どこ行くつもりなの？」
「んー……まぁ、ぶらっとしようかなって」

なんという体たらく、と言われるかもしれないが、まぁそんな体たらくも悪くない。

お金は貯めたし。

岩本は？とボソッという青柳くん。
あんなお寝坊さんは放っておくのが最高な方法だからさ。

そう言うと、ふっと笑った青柳くん。その笑顔に何人の女子がやられたことか。

その笑顔反則ね、と笑えば、あんたもね、とデコピンを食らう。

いってぇ……。

「いったい……」
青柳「自業自得」
「私の知ってる自業自得と青柳くんの知ってる自業自得違うと思う」

あのカップル美男美女～、なんて賞賛の声が聞こえてくる。

照れないはずがない。
照れるぜ。

あんた顔は良いもんね、と失礼なことを抜かしやがる青柳くん。よし、良い度胸だ。

「顔はってなんですかね顔はって」
青柳「ある意味性格も可愛いと思うよ」
「ある意味……」

失礼な人だ…。

いくら持ってるの？と財布を一緒に覗き込む。
え、待って……これ高校生が財布に入れる額じゃない。

青柳「ってなわけで、なんでも好きなもの奢ってあげる」
「じゃあお構いなく！チョコパフェが食べたいです」
青柳「美原の言ってた通り。チョコ好きなんだね」

チョコさえあげればヤらせてくれるってのもホント？と訳のわからないことを言い出す青柳くん。
美原だな、殺す。

ちゃんと否定しておいた。