いや、私女子なんだけど。［３］

１０９話★※ ページ16

長山「内海…お前、また女だと思えば…」
内海「じゃっどん、よう考えてみてくれん。こけは男しかおらん、しかも筋肉だらけんスポーツ男子ど？そげん中にこげんむぜおなごん子がおっだなんて聞いちょらん」


ごめんなさい、稜くんよりわからない。
顔に？がいっぱい飛んでいたのか、内海と呼ばれた人はニコッと私に笑いかけた。


長山「そりゃあ男バレの合宿だからな…Aちゃんは確かに可愛いけど手は出すな」
内海「残念じゃ……こげんむぜ子が目ん前におっとに抱けんだどんて…」
「む、むぜってなんですか？」
長山「可愛いって意味だよ。内海は薩摩弁を話したりするんだ」


普段は標準語だけど、と苦笑いを浮かべながら言う長山先輩は内海さんを布団に包む。

ん…？なんか、朝…静かにご飯食べてた人か…。
夜ご飯美味しそうに食べてくれてた…。


「昨日の夜、ご飯、美味しかったですか？」
内海「！あんご飯を作ったんなあたと？」
「？」
長山「ご飯作ったのAちゃんなの？って」
「あっ、はい！そうです！」
内海「嫁に来もはんか？」


えっと…つまり、嫁に来ないか？って言ったんだよね。


やんわりとお断りした。


「それじゃあ30分後に合宿所前で」
長山「あぁ、ありがとね」


むぞかったじゃなあ……と聞こえてきて、あの人は極才にいない変態だな、と自覚した。

それじゃあ次は……千学。


「えっと…寺坂くん？」
寺坂「ぉ、なん……って！！？えっ！？何、何着て…」


ブワァア…と顔を真っ赤にした寺坂くんに多少の初々し感を感じていると、ジッと私を見ている人に気づいた。

なんでそんな壁で縮こまってるの？


「肝試し30分後に合宿所前ね」
寺坂「おう！行くわ！っていうか…その服、どうにかしてよ…」
「それだけはどうしようもないの、ごめんね」


それじゃあ、と部屋を出て行こうとすると、ねぇ、と小さい声。

聞こえたのは壁際だ。


山尻「あんた、極才のマネだよね」
「え、あ、そう」
山尻「俺山尻(やまじり)大太(おおた)。よろしく」
寺坂「大太は千学のウィングスパイカーだよ。ちょっと無口だけど、悪いやつじゃないから」


仲良くしてやってくれよ、と笑う寺坂くん。爽やかすぎてついて行けない。


＿＿＿

『内海(うちみ)元喜(もとき)』

・薩摩弁を喋るイケメン
・変態
・突拍子も無い事を言う

クラス…A
部活…バレー部(ウィングスパイカー)

「あたむぜねぇ」


『山尻(やまじり)大太(おおた)』

・無口中の無口
・静か
・可愛い

クラス…2
部活…バレー部(ウィングスパイカー)

「……よろしく」

１１０話→←１０８話※

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す