いや、私女子なんだけど。［２］ (ページ42)

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８７話ページ42

「ふは～良い湯だったー…」

あ、入浴シーンは自主規制で…。

隣がうるさかったってことだけ言っておこう。

「コーヒー牛乳にしようかな、イチゴ牛にゅ…待てよ、フルーツ牛乳も捨てがたいな…」

自販機の前で小銭を入れて悩んでいると、ピッと横から伸びてきた手が牛乳のボタンを押す。

おい、命はないと思え。

殺気を放ちながら振り返ると、予想以上に身長の低い男s…ん、いや、男の子……？

ってかなに私の金で牛乳買ってんだ。

「……あの」
橋部「あ、ごめん、凄え遅かったからさ。コレお金。好きなの買いなよ」
「……」

そう言って身長とは対に大きい手から240円が落とされる。
え、コレ2本分…私別にでぶ活してないんだけど…。

「120円で良いですよ…？」
橋部「んー。俺の奢り。先買っちゃったから」

めちゃくちゃ良い人じゃん。何。

ゴクゴクと喉を鳴らしながら牛乳を飲み干す彼。
一体どの学校の選手だ。

「あのー、お名前は？」
橋部「あぁ、結局コーヒー牛乳にしたんだ。俺は橋部(はしべ)智也(ともや)。葉桜高校のリベロ。2年」
「！？せ、先輩！？」
橋部「敬語は使わないでね。使った瞬間10円ずつ貰うから」

どんだけ敬語嫌いなんだ…？

敬語に恨みでもあるんだろうか。

まぁそれはさておき、橋部さん、目の前に立ってるのは誰でしょうか？

とてつもなく笑顔が怖いんですけど。

橋部「あ、ネコ」
猫牧「智也は何してんのかなー。ミーティングするって言ったよなあ？忘れてこの美人マネさんと仲良くおしゃべりですかー。良い身分ですねえ」
橋部「……別に、美人だから話しかけたわけじゃない。ミーティングも忘れてない」
猫牧「どうでも良い！行くぞ！！あ、ごめんな、俺は猫牧(ねこまき)翔也(しょうや)！明日のマネはあんたらしいな、よろしく！」
「あ、は、はぁ…よろしくお願いします…と、智也、コーヒー牛乳ありがとう」

んー、と伸びた返事が返ってくる。

癖の強い……幼馴染…かな。
副主将っぽかったなあの人。

明日は私葉桜高校か…。

今日ろくにマネ業できなかったから頑張らなきゃなー。

城間「なーにしてんの？」
「…城間くん」
城間「今から部屋でトランプするんだけど、どう？」
「……試合観戦ならしようかな」

やった！となんか可愛い城間くん。
なんだ君。

城間くんの後について行くと、あー、マネさん！！とほぼ名前を知らない人たちがいた。

そう言えば、私城間くんと主将さんとマネさんしか知らないじゃん。