いや、私女子なんだけど。［２］ (ページ27)

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７４話※ ページ27

「眠たいから寝ていい？」
郷田「えっ、俺も寝る」
「…仮眠程度だから、ついてきても仕方なくない？」

つーか私が嫌だ。寝言聞かれる。

ジト目で郷田を見ると、何もしねぇよ…と言われた。
え、信用なさすぎてヤバいんだけど。

「…本当に何もしない？」
郷田「寝室の前まで来てそれ言う？もしかして何かして欲しいの？」
「そんなわけないでしょ？」

意味のわからんことを言いおる。

疑いながらベッドに潜り込むと、しばらく真顔でこっちを見つめてくる郷田。
いや、怖い。

郷田「…一緒に寝よ」
「え。ちょ、入ってくんな馬鹿！何してんの！？」
郷田「いや、一緒に寝たいなー…と思って。マジで何もしないから入れて」
「……」

本当に何もしないのかな…。
っていうか年頃の男女が同じベッドで寝るってヤバくない？ヤバいよね？

おじさんのベッドは広いから、全然2人くらい訳なく入れるんだが、私の理性がダメだと叫んでいる。

「……ほんっとになにもしないでね」
郷田「多分な」
「多分じゃダメだろ！！」

ベッドに入ってもこの話をしているので、寝れやしない。寝させろ。

寝たいので目を瞑る。
すると、ゴソゴソとシーツが引っ張られる音。

「えっ、ちょっ…なに！？」
郷田「んー…人肌恋しいっていうか、まぁなにもしないしこれくらい許して」
「私じゃなかったら多分殺されてたと思うよ」

いや、郷田イケメンだし逆に喜ばれてたのかな…。
残念だな、私は兄弟達で免疫が付いている。

「…ちょっとだけね」
郷田「俺Aの匂い大好きなんだよね～。他の女はみんな香水やら化粧の匂いでむせ返るくらいの匂いしてんのに、Aは素の匂いっていうか、すっごい良い匂い…」

耳元で囁く郷田に、ギュッと抱き寄せられる。

おい、今私動いたぞ。郷田に引きずられたぞ。力ヤベェな。

離して、離さない、などと押し問答を続ける私達。
よくよく考えたら男女が夜中にベッドの中に2人きり、しかも距離が近い。となるとヤバいんじゃないか。こう、なんだ、ほら、うん。

郷田「あー…無理」
「えっ」

なんか聞こえたんだけど。聞き間違い？

そう思って郷田を見た瞬間、グッと体が無理やり天井を向く。

えっ？

郷田「…すっげー、可愛い」

……解説をしようか、諸君。
私は今、和のイケメンと名高い郷田永に押し倒されております。

え、なんで？