いや、私女子なんだけど。［２］ (ページ22)

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６９話ページ22

「はい飲み物～。セルフサービスでねー」
小田「わぁ！午後ティーあるじゃん！」
津田「コカ・コーラは！？コカ・コーラは！？」

それもあるから落ち着いてよ、と小田くんに抑えられる津田。
ここの家には大概なんだって揃っている。

そうして、初が来るまでの暇な時間(初がゲームを持ってくる約束)、テレビを見ることに。

佐田「知ってたか？」
「？何を？」
佐田「愛と恋の違い」
「急に何言い出すのかと思ったらなんの話」

そんなのわかんないわよ…。

恋したことも、愛したこともないんだしさ。

だって私、小中と超過保護な親とおじさんに育てられてきたんだから。…あと言えば、兄弟。
それと従兄弟でしょ、再従兄弟(はとこ)でしょ…。
……うん、そりゃ、恋にも落ちないわ。

「ってことで、残念ながら初恋もまだね」
佐田「誰か知らんが、そのAの親戚に感謝するわ」
美原「お前の親戚神かよ」
「は？そのせいで私世間知らずのお嬢様扱いされてきたんだけど」

嫌だよ？私が悪いみたいに言われてさ。
まぁ初が打ちのめしてたし、全然興味なかったからいいけど。

言っちゃえば周りのクズとかゴミとかくらいに思ってたよ、いや、マジで。

「まぁでも、あるよねー、そういう感じのポエム的な」
小田「愛がその人全部が好きで、恋がその人の良いところが好きなんじゃない？愛してるって言ってくれる人と結婚するべきだよ、って事」
津田「A！愛してるぞ！！」
「あんたが愛してるのは私じゃなくてコカ・コーラでしょ」

さっきからそればっか飲んでんじゃん。太るよ。
いや、太らない体質なんだっけか。

ふぅっとため息をついた途端、別荘に響くインターホン。
その音からも高級さが感じられる。

「…あの鳴らし方は初ね。うるさいやつ……」

椅子から立ち上がって玄関に行くと、案の定初がいた。

おまたせ～！と笑う顔は心底喜んでいる顔だ。

「初！あんた遅いじゃない！初が来なかったせいで暇だったんだからね！」
岩本「それは、俺がいなかったから寂しかったっていう……」
「違うに決まってんでしょ」

えー、違うのぉ？と残念そうな初。

コロコロと表情が変わるやつだ。

美原「ぁ……先日は、どうも」
岩本「あ、どうも」
「あんたら礼儀って知ってたのね」

ちゃんとお互い挨拶して、すごいすごい。
頭を撫でてやろうか、と昔の癖で思ったが、まぁ今は大丈夫だろう。あとで目一杯撫でてやろう。

とりあえずゲームの電源を入れた。