いや、私女子なんだけど。

１６話※ ページ18

「初めまして、私はAA。明斗と同じ学校です、よろしくお願いします」
浅川「…あれ？でも、確か藤井の学校って…」
藤井「男子校だぞ？」
浅川「…？」


うん、まぁ、だろうね。
知ってた。

経緯を説明すると、あぁ…と腑に落ちない顔をする。

だろうねぇ。


佐喰「凄く綺麗だね、よく言われない？」
「あはは…セクハラならよくされますけど」
藤井「気のせいだろ」
「死ねや」


いつもいつもセクハラしやがってクソ髪。

その無駄にイケメンフェイスぶっ壊してやろうか。


佐喰「…えっと〜…出会いは？」
「……」


頼んだわよ、という意味を込めて藤井を見る。

さっき言ったこと、まさかこの数十分の間に忘れてないわよね？


藤井「えっ…出会い……えっと、ほら…コイツがラブホの前で…泣いてて…」
「は？」
浅川「は？」
佐喰「え？」


ちょっと待って心外なんだけど。

今の数十分でガチ忘れ？
浅川君も純君も引いてるけど。私のイメージ最悪なんだけど。


あとでシメる。


「ちょっと明斗？変な冗談やめてよ〜！私達が出会ったのは学校内でしょ〜？」
藤井「あはは……」


そうだったっけ、と笑う藤井。
マジぶっ殺す。


藤井「そう言えば、今日お前ら、彼女良いの？」
浅川「あー…そのことなんだけどさ…」
佐喰「昨日別れて……」
「えっ…二人とも？」


残念ながら…と苦笑いの二人。

あらぁ……イケメンなのに…。


藤井「なんでフラれたんだ？」
佐喰「自分より女子力高い男は嫌なんだって…」


それはお前の個性だ、と慰める浅川君。

え、なにこの小動物感。可愛い。


ストローでアイスコーヒーを飲む姿は女子。


藤井「じゃあぶっちゃけるけど、俺たちも付き合ってないぞ」
浅川「え」
佐喰「あはは、だよねぇ…Aちゃんの明斗見るときの目、本当に殺気こもってたし」
「バレた？」


でも本当に美人だよねー、と笑う純君を私はもう女子としか見れない。

よくナンパとかされんの？と前のめりになって訊いてくる浅川君。
そうだなー…と答えに迷う。


「される…けど、人並みじゃない？」
浅川「されるだけで人並みの顔じゃないだろ…」


だったら嬉しいんだけどね。

現実そう甘くはないんだよ…。


ジュゴッと最後の紅茶をストローで吸い上げる藤井。
私達の話には全く興味がなさそう。


浅川「ふーん？可愛いと思うけどなぁ」
「え」
浅川「俺狙っちゃおっかな？」
佐喰「ちょっと、たっちゃん」

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