一松ｇｉｒｌってトリップできたっけ？【一松】

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夜中。明日はテストだと言う六つ子に合わせて起きていた。
そして今から私は大罪を犯そうとしている。


味噌ラーメンと塩ラーメン……どっちにしようかな……。


「……ねぇおそ松。味噌ラーメンと塩ラーメンどっちが好き？」
「え！？作ってくれんの？」
「今やってる科目の宿題が終わったらねー」


おそ松多分一番進んでないよね？
まぁわかるよ、アレでしょ、やらなきゃいけないことあるけど暇ってやつ。

私も学生の頃よく陥った罠。これやらないとヤバいやつ。

見れば普通の高校生の内容だし、私に教えられないことは無さそうだ。
空飛ぶ方法とか書いてあったらマジどうしようかと。


「宿題今やってるやつ終わった人かラーメン作ってるから！あ、それと二時までには終わらせて寝ないとダメだよ」


寝不足の人が一番点数取れないんだから！
それにしても、なんでここまで溜めておくんだ。

とりあえず次からは事前に宿題は終わらせておくこと、と釘を刺し、ラーメンを鍋から上げた。
ちょっと伸びちゃった。


「Aちゃぁぁぁん……」
「と、トド松どうかした？」


部屋に入った瞬間泣きついてきたトド松。いつ見ても可愛い。
平常心を保ってトド松の顔を覗き込んだ。


「わかんないよぉぉぉぉぉぉぉ！！！」


あぁそういうこと。
あるよねわからなすぎて涙出てくること。私もある。

どこ？と聞けば、高校三年生のトド松にしてはだいぶ最初の方で躓いていた。


「ここはね、因数分解してから代入しないと解けないよ」
「あ！そっか！！」


そして基本頭が良いトド松は言ったことをすぐに理解してくれる。
問題はおそ松だ。


「なぁA」
「なにー？」
「ここどうやって解くのー？」
「……そこはね、展開してから……」
「展開って何？」


……そこからか。
高校一年生で習ったはず……早ければ中学二年だ。

仕方ない、裏技を教えるか。


展開の裏技。これで私は因数分解、展開を乗り切った、と言って過言ではない程の裏技だ。
掛け算と割り算、足し算さえ出来れば解ける。

私はそれをおそ松に教えてみた。

すると、スラスラと解けるようになる。
もしたすき掛けとかができないなら、この方法の方がやりやすいはずだ。

これで因数分解もバッチリだろう。


そして宿題が終わらなくて焦っている時ほど時間は早く過ぎるもので、気づけば朝になっていた。

休む時間０。


「とりあえず頑張って！！」


目を擦って眠そうにしている六つ子を玄関で送り出す。
少しでも成績が上がればいいけど…。

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