色気なんていらねぇんだよ

六つ目 ページ6

「おはよ、東堂」
東堂「おー、はよー」

朝、椅子に座って足を組んでいると東堂が登校
マジでか、とテンションが上がり、思わず立ち上がって挨拶した

「昨日楽しかったね！今度またどっか行かない？」
原田「えっ、お前ら一緒にどっかいったの？」
「うんっ！夏祭り行った！原田も来ればよかったのに」


俺行ったけど、と言う原田
お姉さんと行ったらしい

原田「そういや俺の姉、お前んとこの十四松と話してるらしいぞ」

焼き鳥顔にぶっ刺して食べてた人いた、って言うから絶対十四松だろ？
と言う原田

確かにそれうちの十四松だわ

ご迷惑おかけしました、と頭を下げる茶番をしていると、おはよー！と十四松が教室に飛び込んでくる

十「Aちゃん！Aちゃん！！」
「はいはい、ナニー」
十「あんね！！おっきい犬がいるよ！！」
「…え？どこn…」

どこにいるのか、と言おうとして固まる
なぜならその犬は十四松の後ろにいたから

「うわぁああぁああ！！！」

廊下が騒がしかった理由はこれかッ

原田「ちょっ、近づけんなマジ犬無理っ！！」
「うへへへへへ！！ほーら、大型犬だよ〜？」
原田「◯す」

え、超怖いんだけど
犬近づけただけなのに……？可愛いとこあるじゃん

「ていうか十四松。それうちに連れて帰って里親探そう」
十「りょーかい！！」
「うっはぁうちの十四松可愛い」

ビシッと左手をあげ、敬礼をした十四松
右手だよおおお…めっちゃ可愛い


東堂「俺も行こうか？」
「えっ、いいの？なら一緒に帰ろ」
原田「俺行かない」
「え……来てくれないの……？」
原田「なんでそんな目で見つめるんだよ……行くよ！！」
「よっしゃ」

よくやった私


「おそ松ー」
お「んあ？」
「今日一緒に帰ろうね！」
お「いつも一緒に帰ってんじゃん…」

なんで？と教室を出てきたおそ松

なんでも、と返すと、ついに俺と付き合う気にでも…と言い始めたので無視することにした


馬鹿かこいつは
いや、馬鹿だったわ
ごめん



授業中とてもとても暇だった


犬は今何をしてるんだろう…とか、十四松は一緒にどこに行ってるんだろう…とか考えていた(なぜならその授業中、松野五男はどこだ？とか、十四松がいない！と廊下から聞こえてきた上、授業は自習だったからだ)


のちに私はこう語る



あの日、十四松が何をしていたかなんて誰も知らないし知らなくても良いと言うか知らない方がいい……と



つまりそういうことだ

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