検索窓
今日:22 hit、昨日:16 hit、合計:62,976 hit

NEXT ページ6

冗談じゃないわよ!と叫んで魘夢の腕から抜け出そうとするも、がっちり抑えられていて抜け出せない。
やはり華奢に見えても案外力はあるのだ、しかも彼は十二鬼月。

魘夢に口移しで薬を飲まされて、少し熱り始めていた体が明らかな熱を持ち始める。
これが“欲“の始まりだ。

幾度となく味わってきたその欲に、Aは不快感を覚えて身を捩り、魘夢の腕から脱出しようと試みる。
しかし、薬の効果で力が弱まっている上、鬼の中では力の弱いAが魘夢に勝てるはずがない。


「ひっ、ぁ…や、めっ…あっ……!」
「可愛い声…もっと聞かせてよ、ねぇ?」
「ンンッ…」


言う通りになどするものか、とAが口を塞ぐが、魘夢が腕を掴んで引き剥がす。
じわ、と魘夢の触れた場所から熱が伝わり、体全体を支配していくような感覚に襲われる。

(冗談じゃないわ…!)

絶対に許さないから、と叫んだAの涙に濡れた顔を見て、魘夢は恍惚とした表情を浮かべる。
人の嫌がる顔になんとも言い難いような高揚感を感じる。


「最低…!」


どれほど嫌でも魘夢に縋るしかない状況に、己に対しても魘夢に対しても悪態を吐くA。
自分の腰や肩に回る魘夢の腕を睨みつける。

顎の輪郭を撫でられ、魘夢に上をむかされたかと思えば、また口を塞がれて薬を口移しで飲まされる。それを何度も繰り返せば、もう全ての薬の瓶は空になっており、微かに扉の開く音が聞こえた。


「さっさと離してよ…扉、開いたでしょ…」
「こんなになってる状態で俺が帰れば、君はどうなっちゃうのかな」
「は……どう言うこと…」
「外は鬼の気配がするよ?たとえ君でも、今の状況で一人になれば、食われちゃうんじゃないかな」


(誰のせいだと…!)

飄々と言い放つ魘夢に沸々と怒りが湧く。
しかし、魘夢の言う通り外は鬼の気配が蠢いていた。

力の入らない足で立ち上がろうと壁に手をつけば、魘夢がAの体を最も簡単に壁に押さえつけ、曝け出されている胸元の心許ないシャツに手をかける。
鋭利な牙が首筋に立てられ、熱い息がかかった事でAは身を捩らせた。


「何、すっ…」
「楽にしてあげようと思って…良い夢を見せてあげるよ?」
「ッ……馬鹿にしないで!」


ビュンッと空間を切り裂くような音がして、魘夢の頬に赤い筋が入る。


「ふふふ…あれだけ薬を入れられて、まだそんなに動けるんだね。やっぱり君にはとっても興味をそそられるよ…」
「うるさい…私に指一本でも触れてみなさい…あなたのその頸、斬り落としてやる」


そう言えば、魘夢は笑い声をあげて消えていった。

「ホラーゲームクリアしないと」出られない部屋【魘夢】☆→←「催淫薬を10本飲まないと」出られない部屋【魘夢】※背後注意



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (131 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
231人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

松々先輩(プロフ) - ぽれ氏さん» ありがとうございます!リクエスト了解です!リクエスト消化中ですので、少しお時間いただきます。 (3月6日 1時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ぽれ氏 - 全部読みました!めちゃめちゃ良くて惚れました((殴←黙れ☆よかったら悲鳴嶼さんのDキス&一線超えないと出れない部屋見たいです!!よろしくお願いします(*´∀`)ノ (3月5日 1時) (レス) id: c56a87995a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 松々先輩さん» ぜひ!またリクエストしますので、その時はよろしくお願いします✡ヨロ*.꒰ঌ˶'ᵕ'˶໒꒱.*シク✡ (2月29日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - ルナさん» こちらこそ、リクエストありがとうございます!ご満足いただけたようで嬉しいです。ぜひまた機会がございましたらよろしくお願いいたします。 (2月28日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても良かったです«٩(*´ ꒳ `*)۶»リクエスト書いてくれてありがとうございます(*´˘`*)♡ (2月27日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:松々先輩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2021年8月23日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。