「半刻過ごさないと」出られない部屋【黒死牟】 ページ17
※リクエストありがとうございます！(半刻は一時間程度です)
黒死牟と共に『半刻過ごさないと出られない部屋』に閉じ込められて、丁度今半刻の二分の一が過ぎようとしていた。
部屋の中では、金属のぶつかる音と、凄まじいほどの豪風が巻き上がっている。
どうせ半刻経てば出られるのだ。と、すると、この部屋の中でいつまでもこの鬼を閉じ込めて置けるわけではない。
今、殺さねば。
「鬼の呼吸、壱ノ…」
「待つんだ。Aよ」
「！」
先ほどまで離れた位置に立っていたはずの黒死牟が、今自分の目の前に立っている。
これが、人間を食った鬼との力量の差。
(悔しい…！)
自分がどれほど鬼を食おうが、きっとこの黒死牟には到底及ばないのだろう。
血の滲むような努力を重ねても、この上弦には勝てない。
まるで、鬼舞辻が自分を嘲笑っているかのようだ。
黒死牟の腕の中に囚われ、必死に抜け出そうともがくと、黒死牟は眉を顰めた。
「鬱陶しい」
「っ…あああああああああ！！！！！！」
部屋中に、Aの悲痛な叫び声が響く。
額には玉のような汗が浮き上がり、呼吸は痛みで荒くなっていた。
黒死牟は、暴れるAの両腕を、まるで小枝でも折るかのように簡単に折ってしまったのだった。
Aは人間を食べていない分、他の鬼よりも治りが遅い。
痛みで震える体を押さえつけ、なんとか日輪刀を握り直そうにも、今度はその日輪刀を黒死牟に取り上げられてしまった。
「っ、ふ、ぅ…！」
「お前のことは、殺さない……あの方が、お前は生かしておけと、ご命令なさったからだ……ああ、しかし…私も、お前を失うのは…惜しいな」
黒死牟の指が、まるでガラス細工でも扱うかのように優しくAの頬を撫でる。
先ほど腕を折った張本人とは思えないその仕草に、Aは痛みで正常に働かなくなった頭で必死に抵抗した。
(だめ、だめよ…こいつは鬼で、鬼、で…)
自分を見下ろす六つの目が、こちらへ来いとAを誘う。
髪をすく指が、その眼差しが、肩を抱く逞しい腕が…黒死牟の全てがAを夜の世界へと引き摺り込む。
どうしようもなく、痛みが身体中を駆け巡り、思考が正常に働かない。
Aの開け放たれた胸元に伸びた黒死牟の手が、躊躇なく谷間をなぞり、そのまま滑るように太ももに添えられる。
(この男…どういうつもり！？)
反応を確かめるようにAの顔を凝視する黒死牟を睨めば、ガチャンと鍵の開く音がする。
治りかけていた腕で日輪刀を奪い取り、黒死牟に斬りかかろうとすると、もう黒死牟はその場から消えていた。
「口説かないと」出られない部屋【魘夢】☆→←「Dキスしないと」出られない部屋【魘夢】☆ ※背後注意
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松々先輩(プロフ) - ぽれ氏さん» ありがとうございます！リクエスト了解です！リクエスト消化中ですので、少しお時間いただきます。 (3月6日 1時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ぽれ氏 - 全部読みました！めちゃめちゃ良くて惚れました((殴←黙れ☆よかったら悲鳴嶼さんのDキス＆一線超えないと出れない部屋見たいです！！よろしくお願いします(*´∀`)ﾉ (3月5日 1時) (レス) id: c56a87995a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 松々先輩さん» ぜひ！またリクエストしますので、その時はよろしくお願いします✡ﾖﾛ*.꒰ঌ˶'ᵕ'˶໒꒱.*ｼｸ✡ (2月29日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - ルナさん» こちらこそ、リクエストありがとうございます！ご満足いただけたようで嬉しいです。ぜひまた機会がございましたらよろしくお願いいたします。 (2月28日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても良かったです«٩(*´ ꒳ `*)۶»リクエスト書いてくれてありがとうございます(*´˘`*)♡ (2月27日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
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