【鬼滅の刃】しあわせにしてあげる。【短編集】

#早く終わらせて欲しいなんて願いは聞かないからね。 ページ11

*ともさんリク


つぅ…と足元に血が流れてきた。

綺麗な赤。少しだけどろりとしたそれを見下ろして、足を少しつけてみれば君と一体化しているような気分になって。

少しだけ興奮した俺は笑顔で君＿＿＿だーいすきなAちゃんの前で腰を下ろすと、幸せそうに笑ってそっと声をかける。


｢大丈夫かい?!Aちゃん!…ああっ…お腹からおびただしい量の血がどくどく溢れちゃってる…!!可哀想に可哀想に可哀想に!!｣

｢…っ…ふ…っぅ……｣


悔しそうに涙を流しながら自分の血に染まり…微かに震えながら床に倒れているAちゃん。

虫の息でいるAちゃんは、本当に本当に惨めで可哀想で。

だってさっきまで、ええと…なんだっけ名前。

…えっと…あ!そうそう!伊之助達の仇!って言って、真正面から斬りかかって来たのに、俺の小さな分身を作り出せばすぐに倒れちゃったんだもん。

俺の血鬼術は危険だって知ってたみたいだけど、まあ四方八方から息吹きかけられちゃえばねえ。うふふ。

ああもうほんっっっっとに人間って、Aちゃんって惨めで弱っちくて可哀想で俺は涙が出ちゃうよ。

えへへ。そんなとこも可愛いしとても愛しんだけどね♡♡


｢Aちゃ〜ん！♡ぎゅーってしてあげる〜!!｣


ぼたぼたと血を滴らせるAちゃんを無理やり起こして、ぎゅう、とそれはもう愛しく抱きしめる。

ああ…いい匂いするなあ。早くぺろりと食べてしまいたい。


…Aちゃんは完全に俺の一目惚れで。だけど関係上、あんまり関わることはないと思ったのに。

まさかAちゃんの方から愛に来てくれるなんて!しかも俺のことを憎いという感情でいっぱいにしながら!えへ!えへへへ!!俺って思われてるねえ!!

だから…嬉しさのあまり、ちょっと遊びすぎちゃった。ごめんねAちゃん。うう。俺反省した。


｢…っ…ぅ"……っ、げほ…っ…ぁ"あ"…っ…!｣

｢あーあ!ダメだよAちゃん!無理に話そうとすると、とんでもなく肺痛むからダメだよ!それにその"自分の剣が刺さったお腹"も痛いだろう!?｣


そう言って俺は試しにぐりゅ…とAちゃんのお腹にある剣を動かすと、声にならない叫びをあげて強く俺を抱きしめる。反射的な行動だろうけど…ふふ!もう俺幸せ!!♡♡

肉を抉るようにぐりぐりと剣を弄ぶ。空いている手でAちゃんの背中を優しく撫でた。


｢Aちゃん…♡まだまだいーーーーーーーーっぱい遊ぼうね♡｣


そう言って、"自分の手を切るとそれをAちゃんにぼたぼたと落とした"。

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