夢に溺れて (ページ3)

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人々の笑い声で賑わう居酒屋の中。

大テーブルには俺を含む大学生のグループが飲み会をしていた。

その頃は特に悩みもなく、典型的なちゃらんぽらんの大学生の1人だった。

けど、この飲み会は典型的な大学生集団ではなく、同性愛者、つまりゲイ達が集まった飲み会だった。

その時のおれはタチよりのリバ！って言って可愛い子とかにすーぐ絡んでたっけ。

酔いが回れば、自制心が効かなくなるのは当然なわけで。

俺は強気だけど絶対受けだ！って言われてたり

蒼が先輩口説いてたりしてた。

俺は受けって呼ばれるのに当時、かなりの嫌悪感を持ってた。

だって攻めの方がかっこいいじゃん。ってね。我ながら子供だったんだなぁと思う。

そんなちっぽけなプライドを守る為に、目の前で蒼一に口説かれて顔真っ赤にしてる先輩見た時、これなら受けだって言われないんじゃね？って思った。

これって何かって？口説きあいだよ。

愛してるゲームみたいなもので、本気で相手をおとすつもりで口説きあう。ちなみに顔赤くしたり、明らかに動揺したら負け。

今思うとバカなゲームだよなぁって思う。だってそのゲームでカップル成立することだってあるけど、その逆も然りで、口説かれたのに振られた！なんていう可哀想な子だっていた。

それでも男達のちっぽけなプライド守るそのゲームは一種の快楽だった。

俺は蒼への対抗心で、先輩を口説いた。

でも俺だって自信あったけど相手もなかなかの強者でいつまで経っても決着がつかなかった。

それで先輩との口説きあいは辞めて、他の相手を探してたら、そう、あいつがね。