ミーハー ページ31
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−−−生徒会役員。
それは、雷門中の全ての部活動や風紀の乱れなどを取り締まる仕事を主にする、雷門の要とも言える委員会のこと。
今目の前にいる彼女たちがそうなのだが、サッカー部としては一番会いたくない人達でもあった。
両者何も語らず、沈黙が続いていた中でAが明日人たちを庇うようにして前に立った。
生徒会と強化委員監視役の日暮A。
ピリピリとした空気が流れ始める。
「神門さん、あなたサッカー部にいながら、まだ生徒会内でこの子たちを馬鹿にしているの？」
先に口を開いたのはAだった。
生徒会の中枢を担う神門杏奈にキツい一言を浴びせると、眼鏡をかけた少女が「馬鹿に？まさか」と口を開いた。
「皆さん、この度は準決勝進出...」
咳払いをした眼鏡の少女が先陣を切ると、それに続いて杏奈を除く他の役員女子たちが「おめでとうございます！」と黄色い声を上げた。
「はぁ!?」
その光景に驚く明日人たちの中で、Aとのりかは「何いってんのこいつら」というような瞳でガラリと態度の変わった彼女たちを見つめていた。
「私達、すっかり皆さんのファンになってしまいましたわ。」
「ついこの間までは、学校の恥とか何とか言ってたくせに...。」
ふふん、と満足そうに胸を張る副委員長にAは痛いところをつくような言葉を浴びせた。
「それはそれ、これはこれですわ！」
緑髪のふわっとしたボブが特徴の女子生徒が調子のいいことばかりを言う。
「現に今の雷門は、優勝への波にのりまくっていますもの！」
あんたは漬物をスイーツとか何とかいってなかったっけ、とAは突っ込むとキリがないのでやめた。
「私、氷浦くん派！」
ゆるふわみつあみの女の子が両手を合わせながら嬉しそうに語りだした。
「俺、派？」
「ファンってことじゃない？氷浦くんの」
自分を指差しながら、きょとんとする氷浦にAがそっと彼の耳に囁いた。すると氷浦は納得したように「なるほど」と呟いた。
「半ちゃ〜ん！」
「ゴレっち〜！」
おさげが特徴の女の子が服部に、金髪の巻き髪とオレンジ色のリボンが特徴的な女子生徒は岩戸に、それぞれアピールをするように手を振っていた。
「生徒会もミーハーというかなんというか...。」
「それにしても、態度変わりすぎだろ。」
プレゼントや手紙を渡す生徒会役員はまさに乙女そのもの。そんな彼女たちを前に、Aが呆れた表情で呟いていると、小僧丸も同意のように頷いていた。
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作者名：小雪
| 作成日時：2018年8月10日 20時
