思わぬ追加点 ページ16
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「うじゃうじゃと鬱陶しいんだよ!」
一人で複数人を相手にしていた影響で疲労がでてきたのか、ヒロトがついに明日人からのスライディングでボールを奪われてしまう。
明日人から小僧丸へとロングパスを許してしまった永世学園は、不意をつかれて小僧丸に必殺シュートのチャンスを与えてしまった。
「そのシュートはすでに見切っている。」
炎を纏ったボール、小僧丸のその必殺技を前に、余裕綽々といった様子で両腕を組み 構える砂木沼。
「ワームホール!」
小僧丸のファイアトルネードは威力が落ち、そのまま砂木沼の足元へ落ちる。
だが、着地したその刹那、小僧丸とともに敵陣へと上がっていた剛陣がこぼれ球をカット。
「ファイア.....出現地点予測!」
一瞬、目の前で何が起こったのか周りが理解するのには時間がかかった。こぼれ球をカットした剛陣が滑り込みでヘディングをし、追加点を入れたのだ。
「えっ...。」
その光景に思わず低い声が口から漏れ、目が点になるA。止められたた気でいたのだから、驚くのも無理はない。
「見たか!? 俺の新たな必殺技を!」
腕を掲げて自慢げに胸を張る剛陣。
「あんなの必殺技でも何でもないでしょ。」
そんな剛陣の姿をベンチから聞いていたAが辛辣な一言。
「ただのまぐれゴールね。」
それに乗るように、杏奈も続けて本音をズバリと言った。隣に座るAも彼女の言葉にうんうん、と何度も頷いている。
「そこ、聞こえてっからな!!」
指をびしっ、とベンチに座るAと杏奈に向けてさしてきた剛陣にボソリと「地獄耳」と呟いたAに、隣にいたつくしは「お互い懲りないなぁ」と苦笑いした表情を浮かべていた。
再び試合が再開され、永世学園と雷門中の攻防戦が繰り広げられていく。
「俺が止められただと!?」
そんな中、フィールドに立っていたヒロトは初めて自分のシュートだけでなく、ボールすら奪われたこにで苛立ちと動揺を抑えきれないヒロト。
「こっち、パスだ!」
明日人の声がやけに大きく聞こえた。「パス」という言葉に反応を示したヒロトは、氷浦が放ったボールを、無意識に目で追っていた。
氷浦が蹴りあげたボールは、綺麗な甲状腺を描き明日人の元へと落ちていく。
「ナイスパス!」
パスをくれ氷浦にむけて投げた明日人の言葉に、ヒロトは耳を疑った。
「上がれ上がれー!!」
ベンチから応援していたAも今がチャンスだと言わんばかりにフィールドに叫ぶ。
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作者名:小雪 | 作成日時:2018年8月10日 20時