さん ページ4
( Four hours ago - You )
「あのっ、冥坂さんのことが好きです！良ければ僕と付き合ってもらえませんか？」
「…ごめんなさい、付き合ってる人がいるので」
「そっか…ですよね、じゃあ、それだけなんで！」
まだわたしと俊くんが付き合ってること知らない人とかいるのかあ。
でも今回はしつこくなかっただけ全然ましかな、と思っていると胸元で震えるスマホ。見ると俊くんからの電話だった。
最初わたしがかなりの頻度で告白されていると知ったとき、ついていってガツンと言ってやると聞かなかった俊くんだけれどそれは断った。
やっぱりちゃんと気持ちを伝えようとしてくれてるんだから、それにはわたし1人で応えるべきだと思うから。
それに、わたしだって俊くんが告白されてるの我慢してるんだからね。俊くんはわりとキツめに断ってくれてるけど。
しぶしぶ了承してくれた俊くんだけれど、心配からか呼び出されたときは終わったら絶対に連絡するっていうルールができた。
いつもは連絡する前に電話なんてかかってこないけど…何件か入っていたLINEにわたしが気付かなかったからかな。
「もしもし、今終わったよ」
『なんか遅ない？今日』
「そうかなあ、結構すぐだったけど」
『まあロッカーのとこおるから、早く帰るで』
「うん、わかっ…きゃっ！」
電話しながらちょうど角を曲がろうとしたとき、誰かが飛び出してきて勢いよくぶつかった。
危うく手から離れそうになったスマホをぎゅっと握りしめたが、バランスを崩して尻もちをついてしまう。
「っ、いたっ、」
『A、A？！大丈夫か？！』
「ぁ、えっと、っ！」
顔を上げてぶつかった相手を見ると、同じクラスの海根さんだった。
海根さんの手には誰かへの手紙なのかぐちゃぐちゃにされた封筒が握られていて、涙を流しながらわたしたちの教室のほうから走ってきた。
「海根さん？だいじょ、あ、」
向こうも顔を上げてわたしだと認識すると動揺したようで、わたしが大丈夫？と言い終わる前に走り去ってしまった。
( Now - You )
「それってもしかして、見られてた、ってこと？」
「たぶんそうだと思う、もしかしたら海根さん、しろちゃんに告白しようとしてたんじゃないかな」
「嘘、どうしよう私…」
「あゆみが気負うことじゃないよ、ただ海根さんってよくわかんないし、気をつけた方がいいかも」
「だね、ありがとう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぅ - 続き楽しみにしてます！ (2021年5月15日 14時) (
レス) id: e27c2c145d (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 凄く面白いので続きが読みたいです！更新待ってます！！ (2021年4月5日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します！とても繊細なストーリー好きすぎます…！！またお時間に余裕がありましたら、更新して頂けると嬉しいです！！大好きな作品です！ (2021年2月1日 6時) (レス) id: fd1c6c399d (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月6日 14時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
冬葉(プロフ) - ptfさん» 返信ありがとうございます！楽しみに待たせていたただきますね！ (2020年6月29日 17時) (レス) id: 8304f0e3e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ptf | 作成日時：2019年7月22日 23時
