じゅうご ページ16
「A、今日家来うへん？」
「…へ、ほんと？行きたい！」
「おん、今日と明日部活ないし泊まれば？」
家誰もおらんし、とはにかみながらぼそっと言う俊くんに顔が熱くなるのを感じながらも頷くと、満足そうに頷いて頭をわしゃわしゃされる。
この撫で方、俊くんらしくて好きだなあなんて考えているうちに、あゆみのことはすっかり頭から抜けてしまっていた。
( Six hours later - You )
「いい身分だな、館長と副館長は」
「当日大忙しやで」
「1日シフト入ってるようなものだもんね」
わたしと俊くんは特に準備することもないから、しろちゃんの仕事っぷりを見てあげようと渡り廊下についてきた。
俊くんはスマホでゲームをしているけれど、わたしはそういうのよくわからないし苦手だから、途中で友達にもらったお菓子をつまみながら横から見学。
んん、なんか頭使いそう。
なんでこれできるのに勉強できないんだろうねと口をついて出そうになったのをぐっと堪えていると、頭上からしろちゃんの深刻そうな声が降ってきた。
「実は、ちょっと頼みがある。火賀、大道具係もやってもらえないか？」
「え？」
「今少し、海根さんと距離を置きたいんだ」
「お前海根さんとなんかあったん？」
「俺もよくわからない」
「は？」
「海根さん、自分のことをあゆみちゃんだと思い込んでるみたいなんだ」
「…それって」
やっぱり、あの日に感じた違和感は勘違いじゃなかったかもしれない。
さっきのことといい、所々引っかかる部分があった。
海根さんも海根さんで、あゆみの告白現場をもし本当に目撃していたのだとしたらわざわざしろちゃんと同じ係に名前を書くのは考えにくい。
そこまで考えて、頭の中にまるで高い壁にぶつかったかのような衝撃が走った。
「っ、！」
思わずふらついてしまって、咄嗟に俊くんに支えられる。
「A？どしたん？」
「ごめ、なんでもないよ、大道具係やるの？」
「おー、公史郎がそう言うならしゃあないやろ。A…には大道具は無理やな(笑)」
「む、できるかもしれないでしょ！」
「いやいややめとけ、折れてまうわ。あ、でも俺Aがちょくちょく来てくれたら頑張れるなあ」
「ならお菓子みんなのところに配って回る係する！俊くんのとこにも行くね！」
「ん、ほな待ってるわ。行ってくるな」
「うん、いってらっしゃい」
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ふぅ - 続き楽しみにしてます！ (2021年5月15日 14時) (
レス) id: e27c2c145d (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 凄く面白いので続きが読みたいです！更新待ってます！！ (2021年4月5日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します！とても繊細なストーリー好きすぎます…！！またお時間に余裕がありましたら、更新して頂けると嬉しいです！！大好きな作品です！ (2021年2月1日 6時) (レス) id: fd1c6c399d (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月6日 14時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
冬葉(プロフ) - ptfさん» 返信ありがとうございます！楽しみに待たせていたただきますね！ (2020年6月29日 17時) (レス) id: 8304f0e3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ptf | 作成日時：2019年7月22日 23時
