じゅうさん ページ14
( You )
「あれ、しろちゃんだ」
「どしたん、あゆみと一緒じゃないん」
「ああ、俺がちょっと寝過ごした」
「珍しいこともあるんやな」
「あ、テストの結果貼りだされてるよ」
窓に貼り出された成績上位者が記載された紙に群がる人たちを横目に廊下を進む。
ちらっと見ただけだけれど、一番上の水本公史郎という文字は予想していたからかはっきりと確認できた。
ついでにその下に並ぶ自分の名前も。
「しろちゃんに負けたやつだ、悔しい」
「Aちゃん数学落としちゃったんだっけ？」
「うん、最初の大問で手こずっちゃって。時間足りなかった」
「お前ら揃いも揃って1位2位独占かよ、こっち追試やってのに」
「勉強しないからだろ」
「間違いないね」
「時間があったらしとる！」
自己採点の時点でしろちゃんに負けていることはわかっていたけれど、並べていたことは知らなかった。
それでもいつもわたしとしろちゃんで首位争いをするのがお決まりになりつつあったので、2位であろうと悔しいものは悔しい。
ちなみに今までの戦績は定期テスト含め5勝6敗。期末は絶対1位獲ってやる。
安定に追試の俊くんはグルグルという効果音でもつきそうな顔でこちらを睨むと、通知を知らせたスマホを取り出してなにやらモンスターを生み出そうとしていた。
「火賀。簡単に時間を作る方法を教えてほしいか」
「おう！」
「ゲームをやめることだよ」
「あああ来たあああ！スーパーレアゲット！」
A！見て！公史郎！なんて騒ぐ俊くんにしろちゃんとため息のプレゼントをすると、そのまま教室に足を踏み入れる。
「いいとこに来た！今ちょうど文化祭の館長と副館長決めてたとこなの！」
「クラスの顔だよ」
「え？」
「2年2組といえば〜？」
「「火賀！A！火賀！A！火賀！A！」」
「へ、え、？俊く、...わっ」
律が煽ると全員で口を揃えてわたしと俊くんの名前をコールする。
館長はまだしも、副館長いる？って感じはするけれど、きっと2人で呼び込みして回るだけなんだろう。
推薦されるのはいいんだけど、どうにかしてまずこのコールを止めなければと勢いに圧されながら俊くんの方を見ると、そのままぐいっと腕を引かれて教壇に立たされた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぅ - 続き楽しみにしてます！ (2021年5月15日 14時) (
レス) id: e27c2c145d (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 凄く面白いので続きが読みたいです！更新待ってます！！ (2021年4月5日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します！とても繊細なストーリー好きすぎます…！！またお時間に余裕がありましたら、更新して頂けると嬉しいです！！大好きな作品です！ (2021年2月1日 6時) (レス) id: fd1c6c399d (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月6日 14時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
冬葉(プロフ) - ptfさん» 返信ありがとうございます！楽しみに待たせていたただきますね！ (2020年6月29日 17時) (レス) id: 8304f0e3e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ptf | 作成日時：2019年7月22日 23時
