じゅうに ページ13
( You )
「はぁ!?」
俊くんの怒鳴り声に思わず肩を震わせる。
帰り道、家に着くまでにある公園のベンチに腰掛けて、問い詰められたことを全て吐き出した。
やっぱり言わなかったらよかったかな、なんて後悔も先に立たず。
信じられないとでも言うように目を大きく見開いた隣の彼をどう宥めよう。
「なんやねんそれ、じゃあ海根はAに全部任せて帰ったってことか!?」
「や、帰ったというよりどっかに行っちゃった…?」
「どっちも同じやん」
「だって最初はかばんあったもん」
「はあ…とりあえずもう海根とはあんまり関わんな、あいつようわからんし」
「…ん、」
「…な、A。俺Aがいっちばん大切やねん」
何よりも、そうわたしと目線を合わせて言った彼は、きっと、いや確実に、わたしの浮かない顔の理由を知っている。
いつもわたしが過敏になりすぎて疲れてしまう前に、予防線を張ってくれる俊くん。
小さい頃からの人の顔色を十分すぎるほど伺う癖は、きっと治ることはない。
だけど、彼は必ずわたしの逸れた目線を柔く捕まえて、自身に戻してくれるから。
わたしの顎に手をかけてすくうようにされたキスを受け入れると、それは学校を出てからずっと繋がれていた手をきゅっと握り直されたのを合図にどんどん深くなっていった。
504人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぅ - 続き楽しみにしてます! (2021年5月15日 14時) (レス) id: e27c2c145d (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 凄く面白いので続きが読みたいです!更新待ってます!! (2021年4月5日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します!とても繊細なストーリー好きすぎます…!!またお時間に余裕がありましたら、更新して頂けると嬉しいです!!大好きな作品です! (2021年2月1日 6時) (レス) id: fd1c6c399d (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(プロフ) - 更新頑張ってください! (2021年1月6日 14時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
冬葉(プロフ) - ptfさん» 返信ありがとうございます!楽しみに待たせていたただきますね! (2020年6月29日 17時) (レス) id: 8304f0e3e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ptf | 作成日時:2019年7月22日 23時