溢れる気持ち 3 ページ31
緊急時にいつも俺たちを診てくれるかかりつけに、否応なく北山を連れて行った
後から慌てて駆けつけて来たマネージャーが一緒に診察室に入って聞いた話によると、やはりまあまあの熱があったらしいが、ウイルス性かどうかの検査の結果は陰性だったそうだ
北山は簡単な処置に少し時間がかかるということで、診察室から先に出て来たマネージャーが手続きに奔走している間、何かあった時のために俺が廊下で待っていたが、戻ってきたタイミングで車に戻り待機することにした
その後、車に帰ってきた北山は幾分顔色が良くなっていたが、まだ目がうるんでいて辛そうだ
「…居てくれたんだ」
「うん
一緒に来たんだし」
「藤ヶ谷、ここまで来てくれて助かった
マネージャー電話終わったら帰ってくるから大丈夫
本当にありがとう」
「…この後どうするの?」
「マネージャーに送ってもらって大人しく寝てる
明日も休みだし
待たせてごめんな」
「そっか…」
頼まれもしないのに、やや強引にここまで送り届けてきたのは俺の方だ
もう診察は済んだのだし、俺の出る幕は確かにもうない
これ以上は言えないと、諦めて車を出そうとした時、マネージャーが戻って来た
「藤ヶ谷さん、お話中失礼します
北山さん、この後明後日のスケジュール変更のことで至急先方と打ち合わせに戻らないといけなくなって…
送りますのですぐ出発していいですか?」
思わず北山の顔を見た
「それなら俺が北山送るから
打ち合わせ行ってください」
「藤ヶ谷」
「えっ…
お願いしてしまって本当にいいんでしょうか…」
「俺も明日は休みだし、この後予定ないから大丈夫」
「そうですか…
心苦しいですがおふたりが宜しければ…
では北山さん、後でまた連絡しますので、どうぞお大事になさっててください
藤ヶ谷さん、本当にすみません
ありがとうございます!」
バタバタと車に乗り込んだマネージャーを見送って、北山を俺の車に乗せた
「藤ヶ谷、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だよ
もう気を遣わないで寝てなよ
俺のこと気にしなくていいから家教えて」
「うん…
ありがと」
助手席だと狭いだろうからと後部座席に乗せたものの気になって一度降りて、トランクからブランケットを取り出し、北山に掛けた
「これ、キツくなければできるだけ飲んで」
「ん…」
買っておいたスポーツドリンクのペットボトルを渡して、毛布に丸まる北山を確認し、ゆっくりと車を走らせた

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まひろ(プロフ) - seaぺこさん» seaぺこさん💕そうなんです😆まさにみつはほっぺたが潰れるくらいにFさんに押し付けているのですseaぺこさんの想像されている映像と私のイメージがぴったりで、伝わっている事がとても嬉しいです🥰 胸のざわざわも一緒に乗り越えましょう🥺 (2023年6月7日 8時) (レス) id: a7ac955b44 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - まひろさん♡落ち着かない気持ちの中、更新ありがとうございます。みちゅが本当に可愛くて、Fさんの胸にぷくぷくほっぺを潰してくっついてる姿を脳内映像にして悶絶しております。永遠に続いてほしい♡…今日は噂通りの日になるのでしょうか…幸せであってほしい… (2023年6月7日 0時) (レス) @page50 id: 490b4b0fa3 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - piroponcandyさん» 初めまして💕お読みいただきありがとうございます🥰みつが、piroponcandy様の癒しになれてとても嬉しいです💕最後の見直し後、本日日付けが変わる頃49話まで掲載しますので、続きもぜひ宜しくお願い致します🥰 (2023年6月6日 16時) (レス) @page48 id: a7ac955b44 (このIDを非表示/違反報告)
piroponcandy(プロフ) - まひろさん、初めまして。天使のみつ読ませて頂いてます。この作品は、私の癒しですね(╹◡╹)♡こんな天使ちゃんなら、私も欲しい💕続き楽しみにしてます。 (2023年6月6日 14時) (レス) @page47 id: bcc9486015 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - ちびさん» ちびさん💕ありがとうございます💕コメント、とても励みになります!最後まで頑張って書き上げますので、この後もどうぞよろしくお願いいたします💕 (2023年5月23日 23時) (レス) id: a7ac955b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まひろ | 作成日時:2023年4月30日 7時