背伸び (ページ8)

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臣side

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「これがお客様に取る態度なのか？大将。」

"お父さん"が威圧的に大将に指摘をして深く頭を下げた大将。

「申し訳ございません。」

『叔父さんっ！』

「A、謝りなさい....騒ぎを起こして迷惑をかけた周りのお客様に謝りなさい。.....河原様....」

"お父さん"に河原様っと言って顔を上げた大将の目は見た事無いくらいに恐ろしかった。

「会員を取り消します。今後一切。出入りは禁止します。お帰りください。」

「お騒がせして申し訳ありませんでした。」
向きを変えた大将は野次馬に集まった客にそう言って深く頭を下げた。

『申し訳ありません』

それに続いて頭を下げたA。

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気を取り直してあの後、個室に戻った俺と個室の入り口からさっきの光景を見てた直人さんとまた残ってる食事を再開した。

「...臣、さっきのって俺らの為だよな？」

「....うん。」

コンコンとノックが鳴り

『先程はお騒がせして申し訳ありませんでした。こちら大将からのほんの気持ちです。』

お皿に乗った美味しそうな刺身を持ってきたA。

「....A？俺たちの為にごめんな？」

直人さんが優しく問いかけると何とも無いように『私とあのお客様の問題ですから。直人さんは謝らないで下さい。』そう言いながらテーブルにお皿を置いた。

先程、コケた時に切れたのか肘には少し切り傷があって昼間に絆創膏を貰ってた事を思い出して部屋から出ようとするAの腕を掴んだ。

『え？』

「待って。怪我してる、コレ貼るから大人しくしてて」

ペタッと肘に絆創膏を貼って「よし！」そう言って見上げてAの顔を見ると何故だか真っ赤になってた。

『あ、ありがとうございます。』

「いや、逆にありがとう。」

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真っ直ぐで素直なA。

元々顔立ちは良いのは分かってたけど...

至近距離で見たAはすごく綺麗で....

何故だか俺の胸がドキドキしてるのはきっと気のせいなんだと言い聞かせた。

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