【ヴィランズ手下】人魚姫は囚われる【ファッショナブルイースター】 (ページ5)

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3/恋の話ページ5

「私、人間の恋愛について知りたいわ！」

Aの言葉に、ジョーは一瞬キョトンとしたと思うとすぐに呆れたように笑った。
どうやらありきたりな話題を持ちかけたことが面白かったらしい。

エイト「お前、確か前も同じこと聞いてたよなァ？」
「えぇ！何度聞いても飽きないもの！それにまた新しいものを見て来たんでしょう！？」
エイト「そりゃあ、な」
「ほらやっぱり！聞かせてちょうだい！」

ジョーは眉を下げて笑うと、思い出すような仕草をしたのち「じゃあ……」と切り出した。

エイト「どうやら人間界では、男が女を口説いて喜ばせる"仕事"なんてものがあるらしい。愛に飢えた女が金を払って男に縋るわけなんだが………中にはその金が払えない、払えなくなった奴ってのが存在するんだ」
「それで………どうするの？」
エイト「決まってんだろ、俺のところに来るんだ」

ジョーはニヤリと卑しく笑って続けた。

エイト「大抵その職につく男ってのはあくまで仕事なだけで、客である女に好意を抱くことはほとんどねぇ。しかし、女が本気になることがたまにある。だから金じゃなくて男の愛が欲しいって嘆く奴もいたな。」
オー「それは、恋愛って言えるの？」
エイト「さぁな、しかし女の中には存在するわけだ。愛ってのはそういうもんだろ？」

オーシャンもAもバツが悪そうにそっぽ向いてしまう。
あれだけ話をせがんでいたAだったが、思っていたものとは大きく違っていて動揺を隠せないらしい。

エイト「だが、俺はこんな形が嫌いじゃねぇ」
「………？どうして？」
エイト「どれだけ願っても叶わねぇ恋………わかっていても、それに蓋をして追いかけるなんて常人にできることじゃない。その女達は愚かではあるが強くはある。違うか？」

2人は顔を見合わせると次第に笑顔を顔に浮かべた。

オー「君………いや、ヴィランズらしいね」
「えぇ、とっても。」
エイト「そりゃどうも」

笑い合ってあると、Aは大きくヒレを上下に動かして水中をふわふわと泳ぎ出した。