非才ヒーロー。(旧:私もヒーロになりたいのに。) (ページ6)

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＃6 ページ6

今日はオトモ・デバイス選びをするため、オトモを選んだ人が飼育室に集まっていた。飼育室には20人くらいがいて、その中にはライくんや星導くんの姿も見えた。数分すると飼育室に希望した全員が集まったようで、先生がまた説明を始める。

rin「ね、A、早く近くに行こ！」

先生の説明が終わるとレイナは駆け寄ってきて、オトモの方を指差しながら私の腕を引いて行く。
オトモの前まで来るとレイナは至近距離でオトモを眺める。

rin「はぁ〜皆可愛すぎ〜！…あ、あのアザラシちゃん！目くりくりで可愛いし超良くない！？」

『あー、あの子？確かに毛もふもふでめちゃ可愛い』

rin「私あの子の近くに行ってくる！」

行動力が鬼なレイナはすぐにアザラシのところへ向かっていってしまった。一人になった私はどのオトモがいいかじっくり見て考える。
すると急に何かが触れた感覚がした。下を見ると、パンダの見た目をしたオトモがいた。小さな体にキュルキュルな目をした可愛すぎる子だった。

『きゃ、きゃわ……』

痛くないように優しく持って顔の高さに持ってくると、その子は私の頰に手を置きニコッと笑った。
は、破壊力が強すぎる。

inm「あ、Aちゃん！その子にしたのー？可愛い〜」

少し遠くからライくんが歩いてきて、私の手に乗っている子を見る。

『可愛いよね、この子にしようかなーって思ってたところ。ライくんはもう決めた？』

ライくんの方を向いて、はっと息を呑む。肩がくっついてしまいそうで、顔も視界が大体ライくんの顔で埋まるほど近かった。

inm「オレはねー、あのカブトムシの子にしたー！」

距離が近いことに気付いていないのか気にしていないのか、いつも通りの笑顔で少し離れた場所にいる子を指差した。

『あの、だいぶメカメカしい子？』

inm「そう！めっちゃかっこいいよね〜！オレ機械系好きだからさぁもう一目惚れしたの」

『そうなんだ？確かに、ライくんかっこいいし似合いそうだね』

inm「…本当？ありがと！じゃあオレあの子先生のところ連れて行ってくる」

『うん、いってらっしゃい』

いつもより早口で話したライくんは、すぐにあのカブトムシの子の方に向かっていった。
すごいメカメカしくて珍しい見た目だけれど、ライくんと一緒にいるところは安易に想像できた。
私は、いい子を見つけたんだ、とレイナに話しに行くためパンダちゃんを手に乗せたままレイナの方へ向かった。

inm(距離近くて顔ちょっと赤くなってたくせに、かっこいいとか普通に言えるのずるいって……)