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グラウンドが日差しに加え生徒の熱気でさらに暑い。何度目も垂れる汗を拭った。
今日は体育祭だ。いつもよりみんな明るい表情を浮かべていたが、段々時間が経っていくにつれ汗が滲み顔を歪ませている人が多くいた。保健委員であちこちを走り回るライくんはずっと笑顔だが。
次の玉入れが終わった後に二人三脚か、とプログラムを見ながら考えてた時。
「きゃー！！！」
「ちょっ、やばくねこれ？！」
「誰か、先生ー！！」
急に後ろの方で何か騒がしくなった。どうしたんですかね、と言う星導くんと一緒に騒ぎの方へ向かった。するとそこに倒れていたのは佐藤さんだった。すぐに先生たちが駆けつけ保健室に運ばれていった。
『ど、どうしたんだろう…大丈夫かな』
hsrb「熱中症っぽいですね…。もしかしたら二人三脚は厳しいんじゃないですか？」
星導くんの言葉に居てもたってもいられず、保健室に駆け足で向かおうとすると、担任の先生がこちらへ走ってきた。
「佐藤は熱中症で倒れた。しばらくは休ませるので、二人三脚は佐藤が走れないから…Aと二人三脚代わりに走ってくれるやついるか？」
友達を今まで作らなかったのが仇となった。誰も立候補してくれなかった。女子たちはみんな目を合わせて渋っていた。
hsrb「俺、やりますよ」
そんな中星導くんは一歩前にでてそう言った。
hbc「いや、るべは身長差ありすぎてむずいんちゃう？俺やるで」
hsrb「いや、マナ部活対抗リレー出るでしょ？体力温存しておいたほうがいいんじゃない？」
hbc「う〜ん…言い返せへん…。ライ呼んでくるかぁ…？」
そんなわざわざ、と言おうとした時、
mrkm「ほんならぼくがやるわ」
私の肩に手を置いて後ろからそう言ったのは叢雲くんだった。驚きで目を見開く。
mrkm「いやぁぼく、二人三脚やりたかったんよ！ディティカで借り物競争やるって言ってたから仕方なく借り物競争にしたんやけどさぁ」
「やからやらせてくれん？」、と私を見る叢雲くんに、『いいの？』、と聞くと、「ぼくがやりたいんよ」とふにゃっと笑った。他に立候補する人もいなかったので叢雲くんとやることに決定した。
「二人三脚まで時間ないし、ちょっと練習してこん？」という叢雲くんの提案で、グラウンドの端っこで練習することになった。叢雲くんは基本的に他人と距離が近いタイプだけど、肩に手を回されるのはいくら二人三脚と言っても距離が近くて緊張した。
inm「…なんで」
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作者名：Rin_0928 | 作成日時：2025年8月4日 8時
