非才ヒーロー。(旧:私もヒーロになりたいのに。) (ページ12)

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#12 ページ12

hsrb「もう大丈夫ですよ〜」

inm「な、泣かないで〜…！」

思わず涙が溢れてしまった私を2人が背中をさすりながら慰めてくれる。

inm「大丈夫、オレならもっと号泣してるもん」

hsrb「…中学の卒業式」

inm「黙れ」

『……っふは、あははっ』

ぼそっと呟いた星導くんを睨むライくんが面白くて思わず笑ってしまった。2人は目を見開いて私を見る。

hsrb「……初めて見ました、Aさんの思い切り笑ってるところ」

『……変？』

inm「っううん！かわい…………よ」

咄嗟に出た言葉だったのか、段々と勢いがなくなりライくんの顔は真っ赤になる。言われた言葉の意味を理解するのと同時に私の顔にも熱を感じた。

hsrb「…何この空気、気まずいんですけど」

inm「黙れ…！！」

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『…そしたらここはこの公式を使うと、』

hsrb「…こうですか？」

『そう、合ってる』

hsrb「やったぁ、有難うございます」

『ううん。私もこれ教えてもらいたいんだけど…』

hsrb「あぁ、これは、……」

あれから少し経って、あっという間に中間試験まで2週間後を切っていた。星導くんは文系で私は理系なので、分からないことがあればお互いに教え合っていた。

「ライー！これ教えてくれへんー？？」

「伊波ー？！もう何も分からん助けて！？」

inm「ちょ、うるさいお前ら！！」

『……ライくん、大変そうだね』

hsrb「…ですねぇ」

ここ最近ライくんは休み時間のたびに友達に勉強を教えている。多分めちゃつえーの人だ。

hsrb「でも今は俺が勉強教えてるんだから、俺の事だけ考えてください、Aさん」

『……ぅわ、鳥肌立った今』

酷い！と言いながらしくしくと泣き真似をする星導くんに笑いなが冗談だよ、と言う。勉強を教えあうことが多くなったので話すことも増え、冗談を言い合うほどの仲になれた。

inm「ねぇ星導助けて…疲れたぁ…」

ずっと教えているのはさすがに大変なのか、げっそりしたライくんが星導くんへ助けを求める。

「そらライがいっちゃん数学出来るねんからライに聞くんは当たり前やがな！」

「そーだ！諦めてテストの日まで教えろ伊波ぃ！」

inm「お前ら開き直ってんじゃねぇよ……」

hsrb「…じゃあ、Aさんに教えてもらったら？Aさんも理系ですよ」

『ハ？？？』

げっそりしたライくんが面白いなと思いながら見ていたら急に星導くんがトンデモ発言をした。きっとめちゃつえーの人とあまり関わりたくない私を遊んでいるんだ。後で一発殴ろうと心に決めた。