非才ヒーロー。(旧:私もヒーロになりたいのに。) (ページ2)

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これからのヒーロー科での生活を想像していたら入学式はあっという間に終わっていた。もう既に教室へ移動している人もいたため、急いで席を立って教室に向かう。
ヒーロー科は普通科とは別棟で授業や活動をする。体育館からは少し遠いが、最近建てられた校舎なので普通科よりも少し新しいのが嬉しいところだ。

教室につき、黒板に貼ってある座席表を見て席に座る。入学式の座席と同じようだった。そういえば、ヒーロー科を受けた友達がいたはず、と顔を上げたとき、肩に手を置かれた。

rin「やっぱりAだー！中学ぶり〜！」

『レイナ！ちょうど今、レイナもここ受けるって言ってたよなーって思ってたところ！知ってる人がいて超安心ー』

rin「それな？うちまだ友達作ってないからAがいて嬉し〜！仲良くしようね」

『もちろん！』

レイナは中学からの友達だ。頻繁には話していたが志望校を話したり合否を伝えたりなどはしていなかったため、レイナがいて嬉しい。これでぼっち回避だ。
しばらく話した後、レイナは自分の席についた。
ガタッ、と音がして隣を見ると、伊波くんが席についていた。

inm「あ、Aさんじゃん！入学式の席だったんだ！」

『うん、みたいだね』

inm「隣Aさんで嬉しい。オレ、Aさんともっと仲良くなりたいって思ってたから…」

少し頬を赤らめながら笑う伊波くんから目が離せなかった。

『…私も、伊波くんともっと仲良くなれればいいなって、思ってた』

伊波くんの大きい目をまっすぐ見ながら口にすると、伊波くんの頬はもっと赤くなった。
照れてる…？先に言ったの伊波くんなんだけどな。

inm「えっ、あっ、ほ、本当…？」

『うん、本当』

狼狽える伊波くんが面白くて少し笑いながら本当だと言えば、伊波くんの顔はパッと明るくなった。

inm「じゃあっ、Aちゃんって呼んでもいい？」

『いいよ。私もライくんって呼んでいい？』

inm「もちろん！」

伊波くん、改めライくんと話していると担任の先生が教室に入ってきた。
それから入学おめでとうなどの話があった後、担任の先生の自己紹介があった。若い先生でイケメンだったため、クラスの女子はざわついていた。レイナを見ると顔を赤らめていて、私にヤバいと口パクしていた。くすっと笑い前を向くとライくんからの視線を感じた。ライくんを見るとパチッと目が合い、どうしたの？と聞いたが何でもないっ、とはぐらかされてしまった。