組長始めました。

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まさかの返答だったのだろう、トントンさんも鬱さんも、えっ、と声をあげた。

「あ、あの、だけどですね！男の振りはしないですし、ただ組を継ぐんじゃなくて！そのう、家の事とかさせてください、お飾りじゃなくて、ちゃんと組長としての会議...？とか、にも、出ますし...それと、ご飯作ったりとかも、ちゃんとします、」


組長ってだけじゃなくて、私が私として住める場所を作らせてください。

その言葉に、少し考える二人

「言っとくけど、危ないで」
「さっき言われたのでわかります」
「嫌なこと言われるかもしれへんで」
「そしたら、寝て忘れます」
「殴られたりとかするかもしれんで」
「殴り返します...頑張って」

鬱さんとトントンさんに矢継ぎ早に問いかけられて、たまに詰まりながらも返していく、やがて納得がいったのか、ふはは、と笑い始めた

「初めての女の組長か、ええんちゃうん」
「ええんか鬱先生」
「だってなあ、ちゃんとする言うてるしな、明日、あいつらにも紹介したろ、お嬢さん、今日はもうやすみい、決めてくれて、ありがとうな」
「は、い」

おやすみい、また間延びした声にもどって、綺麗な手をひらひらと振り廊下を歩いていく

さて、目の前のトントンさんはというと、すまんなあとひとつ謝り、私の方に近づいてきた、そして、目と目を合わせて

「...なんかあったら、すぐ来るし、ちゃんと守ったるし、きつくなったら、ただの女の子にもどってええからな」
「は、はひ...」

芯を感じさせる目でみつめてきた。整ったその顔にたじろぐ。いやしかし、その顔は、遠い昔に一度みたことがあるような

......いやいや、知り合うきっかけなんてないんだから気のせいだろう。


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