組長始めました。

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関西の方のお祖父様がなくなって、聞くところによると遺言書には、私だけがその関西の家にすむことになったらしい。なぜだろう、


母さんも父さんも、お願い行ってちょうだいと、本当にごめんねとしか言わず、なぜついてきてくれないのかと、年に似合わぬ駄々をこねようが、絶対に一人ではいかないと恥も外聞も捨ててわがままを言おうが、ごめんね、ごめんね、といわれるばかりで結局折れ、意固地になった私は二度とこの家の敷居は跨がない、と伝えた。

そうして、私だけが新幹線に揺られ遥々この関西のお祖父様の家にやって来た。

ええ、この確実に堅気ではない家へ。

でん！と【我々組】と木の板に書かれた達筆な文字は、明らかにその道のものですと言っているようなものである、本当にありがとうございました。私の来世にご期待くださいとしか言いようがない

だがしかし、ここまで来て帰ると言うわけにもいくまい、震える足を叩き、からからから、と軽い音を立てて横開きの和風な扉を開けば、ぴしりと綺麗に七三でわけ、黒い縁の眼鏡を掛けた、これまた黒い髪をもつお兄さんが人好きする笑顔で、こんにちは、と笑いかけてきてくれた。
おや？意外と、友好的...？偏見を持ちすぎていたのかもしれない、

あのう。おそるおそる声をかければ

「珍しいお客さんも来たもんやなあ、折角の若い命無駄にすることはないやろ、今の内にはやく帰り？」

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