セナハウス ページ18
「ちょっとぉ、突然上がり込んできて盛り上がんないでよねぇ？打ち合わせなんだけどぉ？」
いつの間にか右後方の椅子に足を組んで座っていた瀬名先輩が声を掛けてくる。吃驚してお姉ちゃんの後ろに隠れる。
「すみません…」
お姉ちゃんが頭を撫でて大丈夫よォ、そして今日はそんなに大切な打ち合わせじゃないでしょ、凛月ちゃんも寝てるじゃない、と宥めてくれた。
さっき出会ったばかりなのにお姉ちゃんの手が異様に安心する。そして、言われて気が付いたが凛月先輩が横のソファで眠っていた。
「…んん…？うるさいんだけど〜…？朝からみんな揃って、どうしたの？」
過去形なのは目が覚めた様で目を擦りながら寝転んだまま話し始めたから。
「丁度良かったわァ！凛月ちゃん、お客さんよ」
「んん？…ってAじゃん…？ど〜したの？」
「凛月先輩お久しぶりです。」
寝転んだまま首をこちらに向けてこちらと目を合わせて来るので座ったままぺこりと頭を下げる。
「凛月先輩とAさんはお知り合いなのですか？」
「う〜ん知り合いっていうか…お菓子貰った仲？」
お菓子をあげただけだもんな。それでよくこんな所まで案内してくれたというか。正確な説明に有難いが萎縮してしまう。
「今回は突然で…今度また作ってきますね」
と笑ってみたがこちらを見つめる瞳がちょっと怖くて目を逸らしそうになってしまう。するところっと転がると膝の上に頭があった。
わっつ？
「お菓子楽しみにしといてあげるよ。う〜ん、やっぱり膝枕は柔らかくていいなぁ…♪」
そんな事を言ってまた、眠ってしまった。
少しして教室へ戻らないといけない時間になる。どうしたものかわたわたしていると瀬名先輩がこっちを見て目を逸らした後、「ああ、もう…！」と言って凛月先輩を私の膝から引き摺り下ろした。
「ほら。くまくんは放っておいて問題ないからねぇ。」
と。怖い人かと思ったけど案外優しいのかもしれない。
「…ありがとうございます…！」
「ふぅん。お礼は言えるんだ？」
褒められた…？のかな。
そして急がないといけないのに依然として座り続ける私とそれを訝しげに見る瀬名先輩。何故なら…
「足、痺れました…」
「はぁ？知らないけど。…ほら立っちゃえばなんとかなるんじゃないのぉ？」
と、手を引いてくださった。
正直自力で立てそうになかったので有難い。
「ありがとうございます…」
「鍵閉めるからとっとと出てよねぇ」
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作者名：ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時：2018年2月12日 13時
