君が知る時。6 ページ23
「んーん、大丈夫だよ。そこまでは迷惑かけれないからね」
話を聞いてもらってある程度落ち着いたし。
それでもそうですか?と心配そうにしてくれるのは嬉しかった。
「夕食でも行きます?自分奢りますよ」
「そんなに気を使ってくれなくても、大丈夫だよ。凪砂さんの事もあるでしょ?」
そうですか?と聞くいつもと違う彼のせいか、いつもの調子が戻ってきてじゃあもう一回だけ、キスしてよーなんて言ってみた。
先程とは違ってもっと冗談めかして言えた。
「別に構いませんが…一つだけ質問しても?」
「いいけど、答えられないよ。」
聞かれる内容はきっとこうだ。
「『何故、こんな事を自分としたがるんです?』」
それはね、貴方が好きだから。
そして、それは隠されなくなった時に終わりを告げる感情だから。
貴方はきっとこんな私を軽蔑するし、私もきっと居られなくなる。
知っていたはずなのに、この間抱き締めた時に本当の意味で届かないことを理解して…だから、束の間の夢を見ることにしたのだ。
「その答えを君が知った時が、この関係が終わる時だと思うね。」
もう後には戻れない。
夜のオフィス、彼の熱だけが私を埋めてくれた。
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作者名:ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時:2017年8月13日 16時