抜け殻 ページ34
『休んでいていい』…その言葉だけが頭を反響する。
その後恐らくしっかり家へ帰ったのだろうが、あまり記憶にない。
早朝目が覚めた。
差し入れを作ろうとして思い出し、現実から逃げようと夢の世界へ戻ろうと努めるものの、上手くいかない。考えれば考えるほど虚無感に襲われ、涙が零れそうになる。
暫く寝返りを繰り返していると、8時を過ぎそうになっていた。
「休んだら休んだで…迷惑になっちゃうよね…」
重い体を起こし、支度を始める。
なんとか家を出た頃には8時半を指していた。
学校についてからも途中から授業に参加する気なんて失せ、一限二限と中庭などでサボってしまった。
良くないことなのは重々承知の上だし、普段なら罪悪感に苛まれるようなものだが今は何も感じない。
強いていえば静かだなぁということくらいか。
目的もなく歩いていると創くんが育てていたお花が目に入る。
歌声が聞こえてくるようで。気が付けば蹲って顔を覆っていた。耐えないといけないのに。涙が滴り落ちる。
「おいおい、テメ〜は優等生じゃなかじゃなかったのか〜?授業中だろうが。なんたってそんなとこに…」
聞き慣れた声がしてふっと無意識に顔が上がる。その顔を見た晃牙は驚いた様子で聞いてくる。
「…っておい?!どうしたんだよ…?」
「…こうっ、がぁ〜………」
なんだか安心してしまって、堰き止めていたはずの涙がぼろぼろと溢れ出した。
泣き止むまで彼は隣にしゃがんで待っていてくれた。
その後、まだ呼吸も荒いまま要領を得ない私の話まで親身になって聞いてくれた。
この幼なじみは本当に優しい…
だからこそ。ちゃんと自立しないといけないって思ったのに。
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ぽあぷるーじゅ。(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» 気が付きませんでした……ご指摘ありがとうございます!!(恐らく)直ったかと思います…!(そしてこんな駄作を読んでくださってありがとうございます!!) (2018年8月28日 23時) (レス) id: 3a19c5fcff (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、多分ですけど(転校生)先輩っていうのの「(転校生)」の部分は何もいじってなければあんずちゃんの名前が入るんですよね…?えっと、何もいじってないですけど「(転校生)先輩」となっていたので、多分「あんず」って入力すればいいのかと… (2018年8月26日 13時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
ぽあぷるーじゅ。(プロフ) - 紅雨♪さん» コメントありがとうございます…!!!凄く嬉しいです…!完全趣味で書いていたのでそう言ってもらえて嬉しすぎて悶えてます((笑すごく元気とか勇気を貰えたので頑張りますね!(p`・ω・´q) (2018年1月27日 22時) (レス) id: 0bae9b1518 (このIDを非表示/違反報告)
紅雨♪(プロフ) - とても読みやすくて、面白い作品ですね。私、文才がないので憧れます。これからも更新頑張ってください! (2018年1月27日 21時) (レス) id: 589f4ef947 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時:2017年6月20日 18時