手芸をしよう ページ24
その日からは大忙しだった。
リハに衣装を間に合わせて微調整の期間をとるとなると一週間で四人分の衣装をつくらなくてはならない。
「手芸部員の腕がなりますね…!」
「さっきからぶつぶつと煩いのだよ、桜城。」
「久々やな〜顔だしてくれて嬉しいわぁ♪Aちゃん、お茶飲む?俺淹れるで〜」
今は昨日徹夜で書き上げたデザインを斎宮先輩に見てもらい、ついさっきアドバイスを貰った物の制作をしている。
影片先輩も歓迎してくれて嬉しく思う。
入学当初、どうすればいいかわからなかった私を拾ってくれたと言っても過言ではない。
ニ人には感謝してもしきれないのだ。
「ありがとうございます…!いつもすみません」
「いいんよ〜俺、お茶淹れるくらいしかできないからなぁ」
「そんなことないです…!影片先輩のダークメルヘンなぬいぐるみとっても好きですし…本当はお茶も私が淹れるべきなのですが…影片先輩のお茶、おいしいのでつい…」
えへへと笑いながら話す。
初めてきた時も、こんな風にお茶を出してもらったっけ…
集中しろと斎宮先輩に言われてしまったので作業を続けることにした。このスピードだと今日中に二着目に入ることができそうだ。
黙々と縫い物を続ける。
これは、楽しい。周りと切り離された自分だけの空間にいるような感覚に陥る。
ふと、思い起こされる。
あの時も周りを見れていなくて。
確か、校内アルバイトのお洗濯で…
強豪ユニットの衣装に穴を開けてしまったのだ。物凄く焦ったのを覚えている。
しかし、まだ入学当初。相談できる相手もおらず、あたふたしていたところに、関西弁で少し口下手に話しかけてくれた人がいた。
それが、影片先輩。
「どうかしたん?」
人見知りで要領を得ない私の話を、一言を長々と語る私の言葉を聞いてくれた。
「見せてみ?…これ位ならすぐ治ると思うで」
といい、まだあんまり上手じゃないけれど、と前置きをして裁縫セットを取り出して縫い合わせてくれた。
それから少しづつ色んなバイトで会うようになって、それで手芸部にも誘ってくれて。
最初にRa*bitsのプロデューサーになりたいと打ち明けたのは影片先輩にだった。
ValkyrieからしたらRa*bitsは敵で。
だから最初は悲しそうな顔をされてしまった。
でも、「AちゃんはAちゃんやからなぁ」なんて言って、今も手芸部に置いてくれている。
本当に。優しい人たちだ。だから、恩をいつか返せたら…
46人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽあぷるーじゅ。(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» 気が付きませんでした……ご指摘ありがとうございます!!(恐らく)直ったかと思います…!(そしてこんな駄作を読んでくださってありがとうございます!!) (2018年8月28日 23時) (レス) id: 3a19c5fcff (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、多分ですけど(転校生)先輩っていうのの「(転校生)」の部分は何もいじってなければあんずちゃんの名前が入るんですよね…?えっと、何もいじってないですけど「(転校生)先輩」となっていたので、多分「あんず」って入力すればいいのかと… (2018年8月26日 13時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
ぽあぷるーじゅ。(プロフ) - 紅雨♪さん» コメントありがとうございます…!!!凄く嬉しいです…!完全趣味で書いていたのでそう言ってもらえて嬉しすぎて悶えてます((笑すごく元気とか勇気を貰えたので頑張りますね!(p`・ω・´q) (2018年1月27日 22時) (レス) id: 0bae9b1518 (このIDを非表示/違反報告)
紅雨♪(プロフ) - とても読みやすくて、面白い作品ですね。私、文才がないので憧れます。これからも更新頑張ってください! (2018年1月27日 21時) (レス) id: 589f4ef947 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時:2017年6月20日 18時