僕はまだ君を愛さないことができる。３

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目黒「先輩はいつも一匹狼で周りを寄せ付けないっていう感じなんで、少しでも周りに馴染めたらいいなって」


『…』


目黒「ありがた迷惑かもしれませんが、俺はそうなってくれたら嬉しいなって」


『…確かに、いい歳して大人気なかったかも。これからはできるだけ、周りの人とも関わろうと思う』


彼女の横顔を見つめる。


目黒「先輩、変わりましたね」


『私が？』


目黒「いい表情(かお)してます」


『そう、かな』


目黒「深澤さんとうまくいきそうなんですね」


『わかんないけど、良い関係だとは思う』


目黒「よかった(笑)」


少し照れくさそうに彼女は俯く。


そして俺は立ち止まる。


目黒「じゃあ、俺はここで」


『え？』


目黒「深澤さんが迎えに来てるんですよね。すみません、さっき聞こえちゃいました」


『…うん』


目黒「お気をつけて」


彼女は頷いて、俺に背を向ける。


目黒「先輩、」


『…？』


彼女は振り返る。


目黒「俺はどんなときでも、先輩の味方ですから(笑)」


『ありがとうっ(笑)』


笑顔の彼女はじゃあね、と手を振り、再び背を向けて歩き出した。


俺の恋は、完全に儚く散った。


それでもあなたの歩く道は、真っ直ぐであってほしい。


そして、時々雨が降ったなら、俺は傘になってあなたを守りたい。


それが恋という感情でなくても。


＊

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