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社内を歩いていると、目の前に牡丹ちゃんが立っていた。


彼女は俺に一礼する。


牡丹「少し、お時間いいですか?」


深澤「うん」


社内の休憩所の椅子に座る。


深澤「どうしたの?」


牡丹「私、会社辞めます」


深澤「え…?」


牡丹「父の農業を手伝います。私には田舎の暮らしのほうが合っていると感じたので」


深澤「…そっか」


牡丹「父のお世話をしてくれている農家の息子さんがとても良い人で、"君も来ないか"って言ってくれて、それもあって決めました」


深澤「よかった」


牡丹「私、今度こそ幸せになります。だから、たつ…"深澤先輩"も、幸せになってくださいね」


深澤「ありがとう。牡丹ちゃんも、幸せになってね」


彼女は頷き、右手の人差し指を立てて言う。


牡丹「大切な人には、気持ちを伝えたいときに伝えないと後悔しますよ」


大切な人…


牡丹「躊躇してる暇なんてないです」


そう言ったあと、彼女は微笑む。


牡丹「なんて、生意気なアドバイスしちゃいましたけど。本当に、そう願ってます(笑)」


何もしてやれなかった俺に、彼女は優しい笑顔を向けて、俺の幸せを願ってくれている。


牡丹「それでは、お元気で(笑)」


深澤「元気でね(笑)」


去っていく彼女の小さな背中を見つめる。


俺も君の幸せを心から願う。


それが俺にできるせめてもの────────────


程なくして、彼女は会社を辞めた。


*→←*



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あべ 沙耶 - ayaneさん» どういたしまして!← (2020年9月26日 20時) (レス) id: c552b5681b (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - あべ 沙耶 元みきゃんさん» お手本だなんて嬉しいです!笑 (2020年9月25日 16時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
あべ 沙耶 元みきゃん - 別に作品パクって無いですよ!?憧れているって意味です! (2020年9月6日 0時) (レス) id: c552b5681b (このIDを非表示/違反報告)
あべ 沙耶 元みきゃん - ayaneさん» 了解です!あ、私も別のケータイ小説サイトで小説書いてるんですがいつも作者様を手本にして助けられてますw!新作楽しみにしてます! (2020年9月6日 0時) (レス) id: c552b5681b (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - みきゃんさん» いつもコメントしていただきありがとうございます!これを読んでハッピーな気持ちになってくれたら嬉しいなと思って書きました!またいつかよろしくお願いします!(笑) (2020年8月24日 10時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayane | 作成日時:2020年8月10日 8時

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