透明なラベンダー。３ (ページ25)

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あいつを見てると、なぜか無性に腹が立つ。

ヘラヘラとしているあの顔が嫌いだ。

ふっかと2人きりで出張に行くことが決まって、Aは悩んでいた。

2年前とはいえ、あんなことがあった相手と出張に行くのは大丈夫なのかと俺は心配していた。

俺たちの前ではあんなに頭を抱えていたのにも関わらず、出張が終わればケロッとしていた。

しかも、出張先でふっかと夜景を見る余裕もあったらしい。

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ラウ「そんなに怖い顔してどうかしました？」

ラウールが俺の顔を覗き込む。

渡辺「…別に」

ラウ「さっきまでAさんと仲良く話してたじゃないですか」

こいつは俺を監視してんのか。

渡辺「仲良く話してない」

ラウ「どう見ても仲良く話してましたよ。いつものしょっぴーじゃなかった」

渡辺「いつもの俺だよ」

ラウ「なんかAさんに対してだけは少し違うんですよね」

渡辺「どういう風に？」

ラウ「うまく言えないんですけど、好きな子に意地悪しちゃう男の子みたいな感じです」

渡辺「ガキかよ」

ラウ「それに近いんですよね。せっかくAさんがしょっぴーに話しかけてるんだから、もっと優しく接したらいいのに」

渡辺「あいつ見てると腹立つんだよ」

ラウ「どうして？」

渡辺「俺の気も知らないで、ヘラヘラとしてやがる」

彼はその言葉に反応する。

ラウ「それってまるで、Aさんのことが気になって仕方ないみたいな言い方ですね」

…は？

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