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彼女ハ甘ク艶ヤカ二 ページ10

__何なのッ!?

何度も何度も、私は自分の唇を拭った。
路地裏から出て真っ直ぐ向かった先は、私が住んでいるマンション。別に結婚しているからと言って、あんな(ヒト)と一緒に住むなんて御免だ。

部屋の鍵を開けて、荷物をソファに放り投げると、私は洗面所で水を大量に出して顔を洗う。化粧落を使わずに、何度も何度も。唇を重点的に拭った。
それなのに可笑しい、消えない。
全く消えないのだ。あの男の熱が、唇の感触が何時迄も残っていた。


「.........ッ......はぁ、はぁ......」


触れている時間は数十秒と云う短い時間。
噛み付いていなかったら、今頃私は如何なっていたか、考えただけで背筋が寒くなる。少々やり過ぎたかとも思ったけど、あれは滅多な事では落ち込んだりしないだろう。心配するだけ神経を無駄に使うだけだ。

額から流れた水滴が頰を伝い、顎から落ちる。冷水で洗い、すっかり冷えた筈なのに私の顔はまるで林檎だった。
普段は白く、色味の無い頰が真っ赤に染まり、よく見ると目には薄っすらとだが涙の膜が張っている。


「......全部あの男の所為よ」


突然あんな場所で盛るとは、何を考えているのか全く分からない。下の名前を呼べとか何だ、私は貴方の言い成りなんかじゃないんだ。

少々、従わざるを得ない事情があるだけ。


「.........嗚呼ッ!もう、苛々する......」


私に口付け(キス)した時、あの男は嬉しそうに微笑っていた。整った顔に浮かべた其の笑みが、私の記憶に色鮮やかに現れる。
まるで、自分の存在を刻み付ける様だ。


「......最悪だわ」


忘れたいのに、忘れさせてはくれないのね。

酔イノ街デ出逢ウ者達→←太宰ノ独リ言



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時

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